
中国は東シナ海のガス採掘プラットフォームの建設に着手した。
このプラットフォームは日本の排他的経済水域の境界線から26キロの地点、尖閣諸島水域に位置する。
中国のこの行為は、同国が日本も領有権を主張するガス田の開発を一方的に行う準備があるのみならず、尖閣諸島について断固とした行為を行うことをも示す。
日本はこれに瞬時に反応し、中国に対し憂慮の念を現した。
菅官房長官は3日東京で行われた記者会見で、中国が東シナ海において一方的にガス田開発を開始したことは日中の二国間合意に反する行為であり、許しがたいと語っている。
モスクワ国際関係大学国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ。
イヴァノフ氏は、厳密にいえば、日中は尖閣諸島の大陸棚のガス採掘について責務を定めた合意を結ぶにはいたっていないとして、次のように語る。
日中の論争の種となった埋蔵量2千億立方メートルの天然ガスは1999年、尖閣諸島大陸棚で発見された。
発見とともに中国の船舶がここで地質探査を開始したが、日本側の声明によれば、中国が探査を行ったのは日本の排他的経済水域だった。
これに対し中国は単に、この諸島に対する日本の権利を認めないとする声明を表し、ともに大陸棚の合同探査を話し合う協議を開催しようとする日本側の提案を退けた。
2003年、中国は日本の水域との境界線に海上プラットフォームを設置し、ボーリングを開始。
これにより両国関係は急速に緊張化してしまった。
日本が多大な努力を費やした結果、ようやく2005年に中国は交渉のテーブルについたが、交渉は目覚しい成果を上げないまま5年間も続いた。
ところが2010年9月、尖閣諸島の水域で日本の船に中国のトロール船が体当たりを食らわせる事件が起き、その船長を日本の沿岸警備艇が逮捕すると、交渉は決裂してしまった。
この時点で両国が合意にこぎつけたのは交渉を続行するということのみだった。
当時、一連の専門家らからは、中国は交渉が実を結べば大陸棚のガスを日本と分割せざるを得ないため、これを決裂させるため、故意に煽動を起こしたのだろうという憶測が飛び交った。
この後日本政府は数度にわたり、中国が尖閣諸島付近で一方的なガス田探査を準備しているとして、これを非難する声明を表している。
その探査が今、どうやら本当に始まったようだ。
アンドレイ・イヴァノフ氏は、このことは中国が尖閣付近で最も断固たる行為に着手しようとしていることを示すとして、さらに次のように語る。
「中国は露骨に対日関係の緊張化へ向かっている。原因はおそらく、日本政府が尖閣諸島の領土問題が存在することを認めなかったことに、中国政府がいらだち、日本に対しても、ナショナリズムや反日感情にわしづかみにされている自国民に対しても強硬的な姿勢をアピールしたいと考えたからだろう。中国の労働力が高値になりつつことから、日本企業が中国への関心を失い、南アへ生産をシフトしはじめていることもあって、中国指導部は、この緊張化が日本との経済協力に打撃を与えることにはあまり憂慮を示していないようだ。」
イヴァノフ氏は、中国は、自国の態度が原因で日本が防衛面で米国に接近し、その接近が反中国的な色合いを強めていることに恐れをなしていないことは着目に値すると語る。
中国では、米国の新路線である「アジアへの回帰」の枠内では、こうした接近はいずれにせよ回避できないと捉えられているようだ。
その一方で中国指導部は、中国抑止の必要性がどんなに語られても、米国は尖閣諸島がガス田のある大陸棚に囲まれているからといって、こんなちっぽけな崖のためにあからさまな対立に踏み切ることはないと確信しているように思える。
これが実際のところであれば、イヴァノフ氏は、中国が尖閣諸島海域でとる行為はより断固としたものになっていくだろうとの見方を表している。
これはもちろん、日本が柔軟性を示さず、尖閣諸島の領土問題の存在を認めなければ、の話だ。
そういえば30年ほど前、ソ連は日本との間に南クリル諸島の領土問題が存在することを認めた。
イヴァノフ氏は、南クリル諸島はいまだに日本の領土になっていないものの、露日関係は著しく改善されたことを指摘している。
2013/07/03
[The Voice of Russia]