
7、8両日に行われた米中首脳会談では、“2大パワー”による協力関係を強調した中国の習近平国家主席に対し、オバマ米大統領は「日本は米国の同盟国」と明言して、習主席を牽制(けんせい)したとされる。
サイバー攻撃や海洋安保問題などで解決への進展がみられなかった会談に対して米国内では冷めた見方が目立った。
米大手シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ(AEI)」のマイケル・オースリン研究員は「信じられないほど縮みゆく米中関係」と題した論文を米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した。
オースリン氏は、「中国のいう“新型大国関係”とは、大きな問題で米国は中国の協力を得られず、米中関係を安定させるため小さな問題に焦点を当てるものだ」と分析してみせた。
その上で、「習氏は中国によるサイバー攻撃について何ら言及せず、南、東シナ海問題など海洋安保についても、東南アジア諸国など関係国が求める多国間での枠組みでの解決に言及しなかった」と指摘した。
米シンクタンク「ブルッキングス研究所」のリチャード・ブッシュ上席研究員は、「両首脳は良いスタートを切ったが、中国側は重要な米中問題がすべて消えたと思わない方がよい」とクギを刺すのを忘れない。
歴史認識など日本絡みでは中国寄りの論調が目立つ米メディアだが、習新政権の基本姿勢については「歴代政権と(一党独裁)体質は変わらない」(ロサンゼルス・タイムズ紙)との見方で一貫しているようだ。
米紙ワシントン・ポストは、「記者会見で新華社の記者が、習氏のいう『新型大国関係』に関するできレースの質問をした際、日米双方の記者から失笑がもれた」と報じている。

米メディアの冷ややかな反応は、中国のサイバー攻撃や為替操作による不公正貿易、海洋安全保障など重要課題で実質的な進展がなかったためとみられる。
G2(米中2国による枠組み)論が力を持ち、歓迎ムードが散見された2011年1月の胡錦濤前国家主席の訪米時に比べ、為替操作疑惑やサイバー攻撃が発覚した現在、米メディアの見方はかなり厳しく変わってきたようだ。
2013.6.13
[ワシントン:時事]