
フェイスブックやツイッター、ミクシィ、モバゲーなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で知り合った相手に“デート商法”で「必ずもうかる」と持ちかけ商品を売りつけ、18府県の延べ約1000人から計約9億6000万円を集金していた容疑者が逮捕された。
この手口は氷山の一角で、SNSはとにかく犯罪の温床だ。
最近では若者の夢を食い物にして、もっと手軽に相手をだます「音楽制作請負振り込め詐欺」や「歌のレッスン振り込め詐欺」が増えている。
大阪府警生活経済課は28日、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで、大阪市のソフト販売「WAO」代表で大阪市の韓国籍の男(33)ら13人を逮捕した。
国民生活センターによると、巧みな話術で好意を抱かせた相手につけこみ、商品を販売する手口は「デート商法」と呼ばれ、SNSを悪用したケースは数年前から表面化している。
生活経済課は、容疑者らが計約9億6000万円を集金していたとみて、詳しい金の流れなど実態を調べる。
容疑者らは2011~12年、SNSで知り合い、デートに誘い出した相手に「使用すれば必ずもうかる」とうその説明をし、金融取引を自動で行うソフトを販売していた。
ソフトは1本約95万円だったが、まともに作動しなかった。
容疑者は「ソフトを卸していただけで、どのように販売していたかは知らない」と供述している。
府警は、大阪府の消費生活センターから情報提供を受け、12年9月に特商法違反容疑で関係先を家宅捜索するなど捜査をしていた。
さらに最近はSNSを使ったもっと手っ取り早い詐欺が広がっている。
ネット事情通は「SNSは知り合いだけでなく、遠隔地に住む人や有名人ともコミュニケーションをとることができる。それを悪用している者も多い」と指摘する。
詐欺師はSNSの自分のプロフィル欄に、ネットで適当に拾ったイケメンの写真を使用し、親切なボイストレーナーや楽曲提供者、演技指導者、ダンス指導者などと職業を偽り、カモを釣る。
日々、書きつづる内容はウソまみれ。
それでも、“田舎もの”は引っかかるという。
「詐欺師は九州の福岡県に多い。東京で活躍し今は福岡で隠居生活という設定。“福岡からストリートミュージシャンを何人も東京に送り込んだ”という手口。振り込め詐欺に使われる03ケータイ(03で発信できる携帯電話)のブローカーも福岡に多い」と捜査関係者。
詐欺師は実際に一度も会ったことがないツイッターのフォロワーやミクシィのマイミクの中にいる。
夢を書きつづる被害者に、自称“ボイストレーナー”は最初は業界話、次第に夢を後押しするメッセージを送る。
そして「私のレッスンを受ければ夢をかなえることができる」とそそのかす。
レッスンといっても、とんだインチキで、被害者が歌った動画や音声ファイルをメール送信させ受け取った詐欺師がそれを聞き、「もっと自信を持って歌ってみなさい」などと素人同然のアドバイスをメールするだけ。
複数の被害者から相談を受けているある芸能プロダクション社長は「地方で芸能界を夢見る若者はもちろんのこと、都心で芸能活動をしているのに仕事がない若者はツテを作るために、引っかかります」としたうえで、被害実態をこう説明する。
「授業料を振り込めば通信指導が受けられる。最初は月4万円とか少額でも、楽曲提供1曲1万5000円を12曲など、どんどん額を増やします。おかしいと気付いた時には、キャンセル料の名目で高額な金銭を請求してきます。芸能界はお金がかかると錯覚している若者は、消費者金融で借りてでも数十万円なら払ってしまいます」
被害者が気付いて訴え出ても、ボイストレーナーなどは国家資格ではなく、自称しても違法ではないため警察は動かない。
いつの世も若者は
「夢を追い続けたい」
「楽に稼ぎたい」
「有名になりたい」
という思いで頭の中はいっぱい。
夢を悪用して、カネをだまし取る詐欺が横行している。
2013/6/2
[東スポ]