米国務省のサキ報道官は16日、日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長が第2次世界大戦中の旧日本軍の慰安婦について「必要だった」などと発言したことについて、「言語道断で侮辱的」だと非難した。
サキ報道官は「当時、性を目的として人身売買された女性たちに起きたことは嘆かわしく、大規模かつ重大な人権侵害であることは明白だ」とし、米国政府は日本が過去の過ちについて周辺諸国と協力して対処することを望んでいると語った。
菅義偉官房長官は14日、橋下氏の発言について直接コメントはしなかったものの、「政府の立場は、これまでも述べているように、従軍慰安婦の問題で、筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々を思うと非常に心が痛むという点については、安倍内閣も歴代内閣と同様の思いを持って臨んでいる」と述べた。
戦時中の慰安婦の多くはフィリピンや中国、朝鮮半島の出身者だった。
すでに亡くなったケースも多いが、ソウルの日本大使館前では何年も前から、元慰安婦の韓国人女性らが日本に謝罪と補償を求める運動を展開している。
日本政府は、1965年の日韓基本条約で戦後補償問題は解決済みとの立場を取ってきた。
韓国外交省は橋下氏の発言に対して「失望」を表明。
慰安婦問題が重大な人権侵害だったことは国際社会でも認識されているとしたうえで、「日本の指導層の人物が過去の過ちを反省し、時代錯誤的な認識と言行を是正することをいま一度求める」コメントした。
日本政府は93年、戦時中に慰安婦として大きな苦痛を経験し、傷を負った女性たちに「おわびと反省」を表明する談話を発表。
歴史教育を通じてこの問題を記憶にとどめるとの決意も表明した。
だが戦争の歴史を巡る問題は、日本と韓国、中国との関係に今も影を落としている。
2013年 05月17日
[ワシントン・ロイター]