
2013.5.4 00:31
安倍晋三首相は3日、トルコのエルドアン首相との会談で、猪瀬直樹東京都知事が2020年夏季五輪招致で争うイスタンブールを批判する趣旨の失言をした問題に触れ、猪瀬氏が謝罪し、発言を撤回したことを説明した。
その上で「トルコの方は不快に感じられたのではないか。オリンピック憲章とフェアプレーの精神にのっとってベストを尽くしていこう」と述べた。
エルドアン氏は両手を広げ、安倍首相の発言に謝意を示したという。
安倍首相は会談に先立って開かれた日本トルコ経済合同委員会の会合でも
「イスタンブールが五つの輪を射止めたら、私は誰より先に『イスタンブール万歳』と言いたい。もし東京が五つの輪を射止めたら、誰よりも早く『万歳』と叫んでいただきたい」
と述べ、両国の友好ムード演出に努めた。
シリア混乱回避に貢献 日トルコ共同宣言

2013.5.4 00:54
日・トルコ両政府は3日、安倍晋三首相とエルドアン首相との会談後、共同宣言を発表した。
シリア内戦に伴うトルコの混乱回避や中東の安定化に向けた日本の貢献策を探るため、外相の定期対話を新設する。
宇宙分野での協力加速化も特記、トルコ版JAXA(宇宙航空研究開発機構)創設を支援し、通信衛星の受注などを通じ日本の成長戦略にもつなげたい考えだ。
名称は「戦略的パートナーシップの構築に関する共同宣言」。
エネルギーだけでなく政治・経済など包括的な協力を打ち出した。
政治分野の柱は外相の定期対話で、年内に1回目の協議を日本で開催する。
トルコはシリア難民を多数抱え、シリアのアサド政権が崩壊した場合にはさらなる混乱も懸念される。
共同宣言では「シリア人への緊急人道支援について緊密に連携」と盛り込み、外相対話などで協力項目を詰めていく。
トルコはシリアに加え、核開発を進めるイランとも国境を接しているため、日本は外相対話を通じて情報交換・共有を強化し、中東安定化に関する貢献も本格化させる。
経済分野での協力は(1)医療(2)農業・食品(3)インフラ整備(4)通信放送衛星-を列挙した。
いずれも日本の成長戦略に資する項目で、日本企業がトルコの通信放送衛星を受注したこともある。
トルコ版JAXA創設にあたり、日本は組織編成や教育・訓練で助言する。
経済連携協定(EPA)交渉の加速化も付記した。
トルコに原発輸出へ
三菱などに排他的交渉権 インフラ輸出に弾み

2013.5.4 00:57
トルコを訪問中の安倍晋三首相は3日午後(日本時間3日夜)、アンカラの首相府でエルドアン首相と会談し、トルコが建設を計画している原子力発電所について三菱重工業と仏原子力大手アレバの企業連合に「排他的交渉権」を与えることで合意、原発輸出の前提となる原子力協定に署名した。
三菱重工などによる受注契約に向けた詰めの交渉が残っているが、正式に受注が決まれば官民一体で進めてきた案件としては、一昨年3月の東京電力福島第1原発事故後初の原発輸出となる。
会談では、安倍首相が両国間による原子力協定の締結について「非常に喜ばしい」と表明した。
エルドアン氏も「原発プロジェクトが進む中で日本に若い技術者を派遣し、多くのことを学ぶことになる」と述べ、日本への期待を示した。
安倍首相は首脳会談後に内外記者会見を開き、アラブ首長国連邦(UAE)とトルコとの間で原子力協定締結となったことに関連し
「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献していくことは日本の責務だと考える」と述べ、今後も日本の原発輸出を積極的に進める方針を表明した。
三菱重工などが建設事業に関する排他的交渉権を得るのは、トルコが黒海沿岸の都市シノップで計画している原発。
計画では原発4基を建設し、総事業費は220億ドル(約2兆2千億円)規模になる見込みだ。
これまで日本、中国、韓国、カナダの4カ国が受注を目指し争っていた。
首脳会談では「原発と原子力産業の開発のための協力協定(IGA)」を結ぶことを確認し、両政府間で署名式も実施。
日本が原発建設でIGAに署名するのも初めてとなる。
IGAにより三菱重工などは独占的に交渉できる権利を付与される。
政府間でも、IGAに基づき原発建設に向けた協力内容を調整する運営委員会を設置。
トルコ側には、原発建設用地の無償提供や関係する人員の出入国をしやすくする措置が義務化される。
このほか、トルコに原子力分野の専門家を育成する科学技術大学を合同設立することで検討していくことが決まった。
[産経新聞(ロイター)]