2008-03-18 | カカカカメコノカタオモイ-C


お題「赤いもの」





20歳ぐらいの時、コスプレにハマっていました。


コスプレと言えば東京の夏コミとかのイメージがありますが、


札幌のコミケ会場でやるコスプレ撮影会はあんなに賑わいません。


コスプレする人もいるし、写真を撮りたがる人もいるけど、


基本、みんな大人しいんです。





あと、これもたぶん札幌独特の風習だと思うんですが、


「コスプレするキャラが他のコスプレイヤーとカブったら、お寒い。」


1回のイベントでのコスプレイヤーなんて多くても30人ぐらいでしょうか。


そのなかで、カブるっていうのは、すごいガッカリなんです。





一度、会場に3人の「るろうに剣心」がいたことがあって、


3人とも足早に更衣室に戻っていったのを見たことがあります。


それだけこの「暗黙の了解」の効力は大きく、


毎回、何のコスプレ着ようかすごく悩むんです。





あれは確か5月か6月か、まだ夏本番を迎えていない時期だったと思います。


そのひとつ前のコミケで、スレイヤーズのガウリイという、


かなり手間とお金の掛かった衣装を作ったあげく、


札幌で有名なコスプレイヤーさんとモロカブりで、


そそくさと逃げ帰ったという苦い経験をしていたので、


次のイベントでは、カブらないこと重視で行く作戦を立てていました。





当時、ガンダムウイングが大流行しているなかで、


逆に、「シャア・アズナブル」。





今になってファーストガンダムの世代の人が、


テレビを指揮できるようになって、シャアだアムロだと


ゴールデンの番組でも聞こえてきたりしますが、


10年前、ガンダムウイングが流行っている時代の


コミケ会場にはファーストを知識で知っている人はいても、


そのコスプレに手を出す人はそうそういません。





当の私ももちろんリアルタイム世代でもなければ、


そんなにファーストに詳しいわけでもなく、


衣装作りの為にレンタルしたビデオがほぼ初ガンダムでした。





当日。会場はつどーむ。


ドーム型のスポーツがメインの施設で、


東京ドーム0.5個分ぐらいぐらいでしょうか。


札幌でやるコミケでは一番大きな会場です。





更衣室でシャアのコスプレに着替え、出陣。


ちなみに軍服にヘルメットのやつ。





サングラス(?)の奥で他のコスプレイヤーをチェック。


悟空、アスカ、セーラーマーズ、、、


赤系のコスプレを見渡すも、他にシャアは無し。成功。





しかし、失敗。





誰もシャアわからな過ぎて撮影を求められない。





東京の頃からそれなりに声を掛けられるほうで、


コンテストとかあったら、それなりに入賞するほうなんだけど、


こんな孤独感は初めてでした。


知り合いのコスプレイヤーや、毎回写真撮ってくれる人も、


今回は顔半分隠れているし、髪も金色に染めちゃったので、


誰も私だって気付いてくれません。





認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを。





壁に沿って円形に並んでいるベンチに座り、


楽しげにしている他の人を羨ましげに見ているシャア。


一時間ほど経って、もう帰ろうかと思ったとき、遠くからの視線。





ララァがいました。





そのまま帰宅してもスタッフに怒られないようなワンピースに、


あの髪型に、あのホクロ。間違いなくララァでした。





声を掛けて話してみると、札幌の人で、年齢は私のひとつ下、


今回は時間がなかったので簡単なララァとのことでした。


キャラを作っているのか天然なのか、ララァそのまんまの人でした。





シャアに加え、ララァまでいるのに興味を示さない人達に見切りを付け、


ふたりでスタンド席に移動しました。


スタンド席は全然人はいなくて、対面の向こう側、同人誌売ってるほうに


2、3人、保護者らしき人がいるだけでした。








「生地ってどこで買ってるの?」





「カナリアが多いかなぁ」





「マジ!?俺もカナリヤ!」





「定番だよねー」





「今回ミシンの調子が悪くて、作るのすっごい時間掛かったんだよね」





「へぇミシン使ってんだ。私は全部手縫いだよ」





「え!?手縫い?マジスゲー!」





「簡単なやつしか作んないからね」





「いやいや、すごいって!俺、全然気付かなかったよ!」





「まぁよく見ると縫いが粗かったりするんだけど」





「そおなの?ちょっと裾見せて。いやいや、コレ本当に手縫い?


マジすごいって。縫い合わせもすごいじゃん!


ちょっと立って、ほら、裏地だってこんなに丁寧だし、


ミシン使ってたって、こんな見えないところは適当に縫うよ普通、


下着だって、こんなに可愛らしいのを付けているし・・・」





「いやん!」





「あはは、てか、気付くの遅いし(笑)」





「ヒドイよ!真剣に衣装見てくれていると思ったのに!」





「ゴメンゴメン、怒んないでよ」





「・・・・」





「いや、ホントごめんね。ホント裏の縫い合わせが見たかっただけなんだよ」





「うそ!」





「ホントだってば。ほら、見て」





「?」





「ね、こんなパツパツのズボンなのに、全然反応してないでしょ」





「やーん、えっち!マジマジと見ちゃったじゃない(笑)」





「ゴメンゴメン(笑)、でもこれで疑い晴れたよね?」





「うーん、、、」





「よしわかった。じゃあこうしよ。故意じゃなくても下着見ちゃったのは事実だからさ、


代わりに俺の下着も見ていいよ。これおあいこにしよ。」





「やめなよー、こんなところでズボン下ろしたら、アリーナから丸見えだよ」





「大丈夫、大丈夫、下からは上半身ぐらいしか見えてないって」





「そうかもしれないけどさー」





「まぁいいから、ほら、これが俺のパンツ」





「!!」





「あ、ゴメンゴメン。ライン見えるズボンだから今日パンツ穿いてないんだったわ」





「やだー、もう!早くしまってよ!」





「でもこれで疑い晴れたでしょ?」





「晴れた晴れた!晴れたから早くしまって!」





「ちゃんと見た?勃ってないってちゃんと確認してよ?」





「見たから!わかったから!」





「じゃあさ、じゃあさ、何色だった?」





「やだ!なに言ってのよ!」





「答えられないってことは見てないってことでしょ?」





「ちゃんと見たって!」





「じゃあ、何色?」





「・・・・なんか黒っぽかった、、、はい!おしまい!ズボン穿いて!」





「・・・・・」





「・・・・穿いた?」





「ねぇねぇ、ほら、シャア専用。」





「いやん!」





「もう見なくてもいいからさ、ちょっと手を貸して」





「え?なに!?」





「男って毎晩こういうことしてるんだよ」





「え!?やだ!!」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・」





「・・・・・ううっ!」





「!!」











ふだんのオナニーより3倍早く逝ってしまいましたとさ。