山口恵以子 月下上海 | バステトの本ブログ

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本はネタバレしまくりなのでご注意を☆好きな作家は恩田陸、五條瑛、柴田よしき、今野敏、三浦しをん、よしながふみ、伊坂幸太郎、北村薫

は~涼しい。朝型なんて肌寒いくらいですよね。
カンボジアから帰国してから何故かお腹を壊しましたが、冷えのせいなのかなかなか治ってくれません。でも風邪はひいていないので私ったら強く強靭な肉体を手に入れたようです。ウフフ

お腹は壊しましたが秋は沢山新刊が出るので嬉しいです。

月下上海

山口恵以子 (文藝春秋) 『月下上海』  

 あらすじ:スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子は、戦時統制下の日本を離れ、上海に渡った。謀略渦巻く魔都・上海で、多江子が出会う四人の男たち。憲兵大尉・槇庸平、民族資本家・夏方震、医学生ながら抗日運動に身を投じる黄士海、そして多江子の前夫・奥宮瑠偉。いま、運命の歯車が回り始めるー。第20回松本清張賞受賞!



初めましての作家さんですが、表紙のデザインとタイトルに惹かれて購入してしまいました。

 女スパイ的なお話かと思っていましたが、才能溢れる財閥の令嬢・多江子が戦時下の上海で恋や時勢に翻弄されながらもたくましく生き抜く という内容でした。

多江子は女版・半沢直樹な感じです(ちょっと違う??)。でも、やられたらやり返す、倍返し 的なところは一緒だと思います。そして基本は優しく愛情深い女性です。

上海には行ったことないのですが、香港には旅行で訪れたことがあります。イギリス文化と中国文化が融合してとてもエレガントかつミステリアスな街並みが残されていましたが、戦時下の上海はもっと色濃く様々な国の文化が主張しあっていたんだろうなぁと想像できます。

 スキャンダルを逆手に人気画家になった多江子は上海に渡り画家として生活しているのですが、日本人離れした美女で大財閥の令嬢ですからね。着ているものや小物の組み合わせがすごくお洒落です。
読んでいても多江子のファッションセンスには唸りっぱなしでしたよ。これは教養や美的センスがないと絶対に思いつかなそうな組み合わせですもの。オシャレすぎてショッピングに行きたくなっちゃいます。

多江子が出会う四人の男性もこれまたそれぞれ違う魅力があって素敵です。激動の時代に生きるっていうことは人を狂わせることでもありますが、人を美しくもみせるんですね。


どうにも感想が上手に書けずでこの本の魅力が伝えられないのが悔しいわ。

山口さんは他にも本を出版されているそうなので探して読んでみようと思います!!