|
小川 洋子著 (中公文庫) 『完璧な病室』
あらすじ:弟はいつでも、この完璧な土曜日の記憶の中にいる-病に冒された弟と姉との時間を描く表題作、海燕新人文学賞受賞作「揚羽蝶が壊れる時」に、第二作品集「冷めない紅茶」を加えた四短篇。透きとおるほどに繊細な最初期の秀作 |
『象を抱いて猫と泳ぐ』で完璧に小川作品にノックアウトされ、金欠の中細々と小川作品を購入しています。『博士の愛した数式』や『夜明けの淵をさ迷う人々』もとても静謐で好きな作品です。
今回は小川作品(あんまり読んでないけど)初の短編集に挑戦してみました。っていうかタイトルに惹かれて購入したら短編集だったってだけなんだけども。。
完璧な病室/揚羽蝶が壊れる時/冷めない紅茶/ダイヴィング・プール 4つのお話が収められてありました。
一番好きだったのは本の題名にも使われている 完璧な病室 です。 病に冒された弟と、その看護をする姉との静かな日々が描かれていました。
看護する姉も、病から弟を切り離そうとするのではなく、弟と一緒に病にとっぷりと飲み込まれていくような切なさがありました。飲み込まれていく様子も悲惨な感じではなく、むしろ弟と共に飲み込まれていくことが幸せなように描かれています。それが余計に切なかった。
親よりももしかしたら近い存在で、自分の一部のように思っている姉弟が病に冒されたら、こういう感覚になるんだろうか、と思ってしまいます。
その他の作品も1つ1つがすごく静謐で繊細な作品ばかりでした。またどこからかお金をひねり出して小川作品を購入せねば・・・。ドカ買いじゃなくて久しぶり一冊一冊を大切に買い、読みたい作家さんです!
