三浦しをん著 仏果を得ず | バステトの本ブログ

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本はネタバレしまくりなのでご注意を☆好きな作家は恩田陸、五條瑛、柴田よしき、今野敏、三浦しをん、よしながふみ、伊坂幸太郎、北村薫

後輩が来月に部署移動になり、私に引き継がれる仕事が多いそうでございます。
仕事・・・まだ増えるの? 月末とか猛烈に忙しいんだけどな・・・と思っている今日この頃。。
しかも今までノータッチだった仕事が引き継がれる為(むしろ後輩が何の仕事していたのか知らないし)かなりヤバイ!!
上司の嫌味に付き合っている暇はなくなりました!!!

イライラの原因が私の後輩の移動のことで上と揉めていたためからでたものだと私の平安は訪れると思うのですが、違ったら。。想像すると怖い(><)

三浦しをん著 仏果を得ず 三浦しをん著 (双葉社) 『仏果を得ず』
 内容:“好き”が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。文楽に賭ける若手大夫の熱い青春。直木賞作家が愛をこめて語ります。 直木賞作家が描く、伝統芸能の世界。主人公は太夫を語る大夫・健。人間国宝の師匠や変わり者の三味線弾きに鍛えられながら芸を磨く。芸に恋に悩みながら健は成長していく。傑作青春小説。


 あぁ文楽!この本を読むと必ず行きたくなっちゃうんだよな~。
若手健太夫とその師匠で人間国宝の銀太夫、銀太夫の相三味線、芸とは何か文楽とは何かが爽やかに描かれている作品です☆

 銀太夫っていうのがかなり強烈なキャラで何度笑ったことか!!楽屋で食べるヨーグルト。ヨーグルトとハチミツの割合が一番お気に召したので健がヨーグルト係(笑)まずそこで「お?陰湿な世界を描くのじゃないのかな?」とワクワクする。そこからは強烈なキャラのオンパレードです。
銀太夫の相三味線 亀二(だったかな)も大人しそうなのに銀太夫の相方を勤めるだけあっていいんだな~♪

 それから、健太夫の相三味線になった ”変人”の兎一郎もクールでいいです!!(でも恐妻家なんだけど(笑))

なんだかハチャメチャな人たちばかりだけど、一度舞台に上がればもうそこには芸に対して真摯で少しでも芸の高みに上がっていこう、床本の人物の生き様を伝えようとする。

このギャップに何度も感動してしまった。
やっぱり人の上に立つ人っていうのは普段は無茶苦茶でも「無茶苦茶な人だけど絶対この人に付いて行こう!!」と思わせてくれるような人じゃなくちゃ!!


 健も床本にかじりついて自分のつとめる役柄を必死になって読み解こうとする。「女殺油地獄」の「与兵衛」はどんな人物だったのか と必死に模索する姿が眩しいです。

 300年前から語られている文楽の習慣や、若手が編み出した悪知恵、師匠や兄弟子から少しでも吸収しようとする芸に対する貪欲な姿がとても美しいと感じました。