北森 鴻 凶笑面 | バステトの本ブログ

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本はネタバレしまくりなのでご注意を☆好きな作家は恩田陸、五條瑛、柴田よしき、今野敏、三浦しをん、よしながふみ、伊坂幸太郎、北村薫

三連休、如何お過ごしだったでしょうか。
私は遊び惚け、読書し惚けましたよ。昨日はさすがにマズイと思って勉強しましたが・・・それでも久しぶりに思いっきり読書できてすごく満足な連休でございました。

天気も良くて洗濯物がよく乾いたし☆蓮丈那智シリーズに手を付けられたことがなによりも嬉しかったです!!


蓮丈那智シリーズ 凶笑面 北森 鴻著 (新潮文庫) 『凶笑面』
 内容:“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから―(表題作)。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する…。那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。本邦初、民俗学ミステリー。全五編。 鬼封会/凶笑面/不帰屋/双死神/邪宗仏

この本の表紙を見るたびに「ヒィィィ」とビビってしまうのですが積読本の中から探さなくちゃいけなくて、でも恐いから本屋さんでカバーかけてもらっちゃってたんですよ・・・

私は行きつけの本屋さん以外では滅多に本を購入しないため同じ本屋さんのカバーで他の本と見分けが付かないのです。
探すときはヘッピリ腰でちょっとカバーを外してみる・・・っていうのを繰り返しました(^^;)

『凶笑面』が見つかったときには嬉しかったですけど表紙がねぇ、、、恐いってば。

 恵さんやブログのお仲間さんの評価が高かったのでワクワクしながら読み始めたんですが・・・

素晴らしい!エクセレント!!

 もう全然ページをめくる手が止まらなくて一気読みでした☆☆

 <鬼封会>
で那智の助手の内藤三國の卒業試験問題が明らかになります。
「ラーメンの丼に浮かぶナルトについて、ガラパゴス式の進化論を、民俗学的見地から構築すると仮定する。 この場合の調査方法を自分の仮説とともに順次列挙せよ」
 だそうですよ。私ならなんて書くだろう。っていうかそもそもガラパゴス式の進化論っていうのが意味分からないから意地文字もかけずに終わってしまうかも。

あ、でも 「取りあえずラーメンを頼み、丼に浮かんだナルトを食べてみる」とか書くかも(汗)

那智とミクニのやりとりもレベルが高くて面白い!
鬼封会というビデオが都築常和から送られてくるところから事件がはじまります。ネタバレになってしまうのは勿体ない(説明できないだけなんだけど)ので今回はひかえます♪

 でも、「あぁ、そうだった」っていう歴史的逸話がちりばめられていてすごく面白かった。
例えば菅原道真は政争に敗れて九州に流された後死亡、その後天神様となる。 とか、学生時代に勉強した記憶が掘り起こされてすっかり嬉しくなってしまいました。

 <不帰屋>
東北の雪深い村の護屋邸の離れでの事件

 私が一番恐怖を感じた短編でした。

雪割絵という村独特の儀式の本当の役割が本当に怖かった。昔からの閉じられた厳しい世界で、現在では風化してしまった儀式でも、元をたどればそれは残酷でおぞましい儀式。

 護屋邸の離れを取り壊すのを殺人を犯してまで阻止したのは何故か・・・那智の推理した通りだとすると。。背筋が氷る思いでした。

 <双死神>
【狐】登場!!相変わらず重要なキーワードに注目しているようで、さすが【狐】!と拳に力が入ります(笑)
だいたらぼっち伝説(巨人伝説)と製鉄技術集団の繋がり。これってどっかであった設定だな・・・
そうだ!『もののけ姫』 !!

 『古事記』 とゼミで集めた資料をひっぱりだして参照しつつ読みましたので読み終わるのにやたら時間がかかってしまった(^^;)学生時代に自分で少し調べたところがあったのもプラスされて一番夢中で読んだ一編でした(^^)

民俗学って本当に奥が深い!

振り回され、心みだされながらも那智を尊敬してやまないミクニ。彼の春はやってくるのか!? 無理でしょうね(笑)

この二人のコンビ、ずーっと読んでいたいなぁ~