うちの市は、人口約4万5,000人で中学校が7校ある。
一方、隣の市は人口約1万6,000人で中学校は1校に統合済みだ。
地元じゃない自分から見ると、正直かなり不思議に映る。
財政的にも、人の配置的にも、合理的とは言いにくい。
まず「数」だけを並べてみる
| うちの市 | 隣の市 | |
|---|---|---|
| 人口規模 | 約45,000人 | 約16,000人 |
| 中学校数 | 7校 | 1校 |
| 統合実施 | なし | 実施済み |
この時点で、制度の問題ではなく「選択の差」だということが分かる。
人件費だけで、どれくらい違うのか
中学校1校あたりの教職員を、かなり控えめに見積もる。
- 校長・教頭:2名
- 教員:約20名
- 事務・用務等:5名
- 合計:約27名
平均年収を600万円と仮定すると──
| 人員 | 年間人件費 | |
|---|---|---|
| 中学校1校 | 27人 | 約1.6億円 |
| 7校合計 | 189人 | 約11.2億円 |
仮に統合して3校規模にできた場合でも、
- 人件費は 約4〜5億円削減
これは毎年・固定で発生する差だ。
人件費以外の「見えにくいコスト」
| 項目 | 1校あたり(概算) | 7校分 |
|---|---|---|
| 光熱費 | 1,500万円 | 約1億円 |
| 修繕・維持費 | 1,000万円 | 約7,000万円 |
| 備品・管理費 | 500万円 | 約3,500万円 |
人件費以外でも、年間2億円前後が積み上がっている計算になる。
じゃあ、統合したらコストはゼロになるのか?
もちろん、増えるコストもある。
- 通学距離が伸びる
- スクールバスの運行が必要
隣の市では、すでにスクールバスを導入している。
仮に、
- バス5台運行
- 運転手・燃料・整備含めて
- 1台あたり年間800万円
だとしても、
年間約4,000万円程度
人件費・施設維持費で削減できる額と比べると、
桁が一つ違う。
それでも「できない」理由
ここまで見ると、答えは財政じゃない。
- 地元意識
- 校区への感情
- 声の大きい反対
- 「前例がない」という空気
つまり、お金の問題ではなく、決断の問題だ。
隣の市ができて、うちができない理由
隣の市は、統合を「未来の話」として決めた。
うちは、統合を「過去との別れ」として扱っている。
この違いは、10年後に確実に効いてくる。
学校は、守る対象である前に、
次の世代を育てるための装置だ。
数字を見れば、答えはもう出ている。