奨学金を背負ったまま大人になるということが、どれほど重いか。
今回、数字を並べてみて、正直ゾッとしました。
■ 大卒で奨学金を借りる「普通の若者」のモデル
いまの大学生で、奨学金を借りずに卒業できる人の方が少数派です。
多くの学生が、300万円前後の奨学金を背負って社会に出ます。
| 項目 | 一般的な水準 |
|---|---|
| 奨学金総額 | 約300万円 |
| 返済期間 | 15〜18年 |
| 月々の返済 | 約18,000円 |
つまり、社会人になった瞬間から、毎月2万円近い“固定支出”が15年以上続くということです。
■ 2人とも奨学金を借りて結婚したら
大卒同士が結婚し、どちらも奨学金300万円を借りていた場合。
毎月の奨学金返済は、
18,000円 × 2人 = 36,000円
これが家計から自動的に消えていきます。
大卒の手取りを1人約16.5万円とすると、共働きで
16.5万円 × 2人 = 33万円
ここから奨学金を引くと、
33万円 − 3.6万円 = 29.4万円
これが生活費の原資です。
■ 生活費を引くと、もう余裕はない
| 支出 | 月額(地方想定) |
|---|---|
| 家賃 | 70,000円 |
| 食費 | 60,000円 |
| 光熱・通信 | 30,000円 |
| 車2台維持 | 30,000円 |
| 日用品など | 20,000円 |
| 合計 | 210,000円 |
29.4万円 − 21万円 = 約8万円
ここから、結婚式、貯金、将来の出産費用を貯めていくことになります。
■ 子どもが生まれた瞬間に“無理ゲー”になる
ここで妻が出産し、育休に入ると収入は約7割に下がります。
手取り:
夫 16.5万円
妻 11万円(育休給付)
合計 27.5万円
ここから奨学金3.6万円を引くと、
27.5万円 − 3.6万円 = 23.9万円
生活費21万円を引くと、
残り 2.9万円
ここから赤ちゃんのミルク、オムツ、衣類、医療費を払えば、ほぼゼロです。
子ども1人でギリギリ。
2人目、3人目はほぼ“無理ゲー”に近い。
■ これが晩婚につながる
この数字を見れば、若者が結婚を先送りする理由ははっきりしています。
- 返済が終わらない
- 貯金ができない
- 子どもを持つ余力がない
だから彼らは、
「もう少し給料が上がってから」
「返済が減ってから」
「30歳を過ぎてから」
と、結婚を後ろにずらす。
晩婚化と少子化の正体は、価値観ではなく“数字”です。
奨学金を背負ったまま社会に出るということは、
人生の一番大事な時期に、ずっと重りをつけて走るようなもの。
この現実を知らないまま、
「自己責任」「努力が足りない」で片づけていいのか。
私は、そうは思えません。