少子化なのに、教育費が下がらない。 それどころか、「支援があるはずなのに、うちは何も変わらない」という実感のほうが強い。
多子世帯の大学進学支援が手厚いと言われている。 でも、少子化の時代に“3人同時に扶養”という条件がどれだけ現実とズレているか、数字を交えて整理してみる。
3人以上の子ども世帯は1割程度
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、
| 子どもの人数 | 割合(子育て世帯内) |
|---|---|
| 1人 | 約49.3% |
| 2人 | 約38.0% |
| 3人以上 | 約12.7% |
※ 「3人以上の子ども世帯」は子育て世帯の**約12.7%**にすぎない。 この数字を見るだけでも、
“条件に合う家庭そのものが少ない”という現実が分かる。
多子世帯支援と実態のズレ
大学進学の補助で大きいのは多子世帯支援。 しかし、制度では「同時に扶養している人数」で判定される。 つまり、3人育ててきた家庭でも、
全員が同時に扶養に入っていないと支援対象から外れてしまうのだ。
| 家族構成 | 子どもの人数 | 同時扶養 | 制度上の扱い |
|---|---|---|---|
| 長男就職・次男大学・三男中学生 | 3人 | 2人 | 多子世帯に該当せず |
| 3人とも学生 | 3人 | 3人 | 多子世帯に該当 |
子ども間の年齢差や進路のタイミングがあるため、
“3人いるのに対象外になる家庭”が実際には多い。
少子化自体の数字
子どもがいる家庭の総数も年々減っている。 厚生労働省と総務省統計局によれば、18歳未満の子どもがいる世帯は全国で約907万世帯で、
全世帯の中での割合は約16.6%にすぎない。
※数値は最新の統計に基づく(厚生労働省・国民生活基礎調査ほか)。
制度設計の逆算感と現実
表面の制度を見ると「多子世帯支援がある」と言われる。 しかし統計で見ると、
そもそも3人以上の子ども世帯が少ない。 さらに、扶養人数という細かい条件があるため、 実際には制度の恩恵を受けられる家庭は限られている。
このズレが、「制度はあるのに実感がない」という感覚につながっている。
結論として残る現実
少子化なのに教育費が下がらない理由は、
制度設計と人口構造のズレにある。 数字で見ると、そのズレは誰でも確認できる事実だ。