ネネちゃん(ネシタネベトイシェルウ)の母ネシコンスAはネネちゃんと一緒で2つの葬祭文書を持っていました。
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写真は全てKokokinakoさんから頂きました。有難うございます。チュー
 
このパピルスは、神話パピルスが纏めてある本に載っていました。
 
そこには、ネシコンスAとネシコンスBのパピルスがカイロ博物館にあると書かれていました。
この写真の方にはBと・・・。
 
え?ネネちゃんの母じゃなくて、ネネちゃんの娘の方????びっくり
ネネちゃんの娘の名前はネシコンスBです。
 
同じ名前が多いので、名前の後ろにA,B,C,Dとついています。
(ヒエログリフには書かれてません)
しかし他の遺物を調べていくと、これBの物なのに、Cの物じゃん・・・って事がありました。真顔
 
この本にはネシコンスA—1番目のパピルス、ネシコンスB-2番目のパピルスと書かれていました。
 
ネシコンスA 【アメンの第一女性歌手】のパピルス。と書かれていたので、やはりこれは母ネシコンスさんの1枚目と2枚目のパピルスと分けるためにAとBを使用したようです。
 
ネネちゃんの母の葬祭文書の他の部分は大英博物館が所蔵しています。
 
彼女の死者の書の内容は、
第,2(bid),4,5,6,10,17,31,38B,45,55,63B,65,77,81A,82,83,84,85,86,96,97,98,99,100,102,103,104,105,107,109,110(挿絵),111,112,113,125(導入),136A(2回),153A,153B が書かれています。
 
 
ネネちゃんや母ネシコンスAさんについては別の記事に詳しく書きます。
ネネちゃんの娘の遺物は、フランスのパリにあるギメ東洋美術館にあります。
(仏語、Musée Guimet 英語 Guimet Museum)
 
ギメ東洋美術館はネシコンスBの葬祭文書、シャブティを所蔵しています。
(展示されているかは分からないです。)
 
この美術館には、エジプトの遺物が約4900点あります。(内動物のミイラ2600点)
アビュドスとナガダ期の墓地遺跡の発掘調査から、先王朝時代の美しいコレクションを所蔵しています。赤い陶製の花瓶、赤色のパレット、男性と女性の像など。
 
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今回はネシコンスさんの葬祭文書について簡単に書きます。
 

【アメンの第一女性歌手】であったネシコンスさんの2番目の葬祭文書

 

※アメンの第一女性歌手とは、アメン神殿で朗唱した女性の事で、しばしば上級の役人の妻や、娘たちに与えられた称号です。

 

これは死者の書ではなく、【神話パピルス】と呼ばれています。

これはこのころの時代から見られるようになります。

 

黒、白、赤、緑、そして青がかっている灰色(blue-gray)で描かれています。

長1.555 m 幅23 cm 

 

 

このパピルスは5つのシーンに分けられます。

最初のシーンの上には、短い2列の碑文しかありません。  

 

ウシル・ ネシイコンス・マァ ケルウ(オシリス・ネシイコンス声正しき者)

ネシコンスは「オシリス」だと銘文に記されているのは、彼女が死後の世界に行き、死者の主神オシリスと同化した事を示しています。

オシリス・ケンティ・アメンテト(オシリス・西方の第1人者(冥界の王)

彼女の頭の上にある白いものはお香。(芳香脂肪ー練り香)

お香とスイレンの花を身に着けている故人は、ヘカを持ちアテフ冠を被っているオシリスの前に立っています。彼女の後ろには2つのレタスがあります。 故人と神の間には二つの祭壇と三つのスイレンの花が供物卓を飾り、オシリス神に捧げられています。

シーン2
聖蛇に守られた太陽の船に乗るのは、翼を広げて飛んでいるスカラベのケプリ神です。船下の長方形は水を表しています。
スカラベは(タマオシコガネ(通称フンコロガシ)は、動物のフンを転がして巣に持ち帰り、その中に卵を産み、幼虫を育てるという習性があります。それが天空を移動する太陽の運行をつかさどり、そこに生命を宿して再生するという事に結び付けられ、ケプリ神として神格化されました。ケプリ神は創造神であるとともに、太陽神と同一視されることもありました。
死者がケプリ神のように、再生できることを願って描かれています。
 
大きな蛇はアポピスです。船首には、太陽円盤のついたハヤブサと2柱のハトホル女神、船尾の舵の近くにはホルス神がいます。その後ろに3匹の蛇が続きます。
 
シーン3
3匹の蛇の後ろに2列で座ってている冥界の神々がいます。
上段のグループは、2番目と4番目は鷹の頭で、頭上に赤い円盤があります。
1番目と3番目の人頭の頭上には黄色い円盤があります。
2段目のグループは、先頭にランプの頭を持つ神、ヒヒの頭、ジャッカルの頭、最後に野うさぎの頭を持っています。先頭の神の前には、贈り物が入ったカゴがあります。
 
シーン4
7柱の冥界の神々、その後ろに蛇が続きます。先頭の神は、人間の頭部、2番目ジャッカルの頭、3番目ハヤブサの頭、4番目蛇の頭、5番目ロバの正面からの顔、6番目コブラの頭、7番目2匹の蛇と太陽円盤を持っています。

シーン5

コブラの蛇の後ろには、3匹の蛇が家から出てきています。死者の書の最後に書かれる部分、第149章と第150章を表していると考えられます。

 

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もう一枚ネシコンスAさんのパピルスがカイロ博物館にあります。
 

1カイロ博物館。 長さ 1.94m 幅

黒、白、赤、黄、緑、青に塗られた、【アメンの第一女性歌手】ネシコンスさんの1番目の葬祭文

こちらは死者の書第145章と146章を書いたものです。
写真が無いので内容だけ書きます。
こちらも5つのシーンに分かれていて、
 
最初の場面は一緒。
文字が
オシリス、家の女主人、アメンの第一女性歌手ネシコンス
オシリス、西方に住むもの。

 

シーン2

先頭にタカの頭の神、ヒヒの頭、ジャッカルの頭、そして4番目に頭の代わりに2匹の蛇と太陽円盤を持っている神が並んでいます。

2段目?には3柱の神がいて、全て人間の頭部をもち、ヘカを握っています。最初の神の前には供物のかごが置かれています。

 

シーン3

上下に2匹の巨大な蛇が描かれていて、その上に銘文があります。

上の蛇: この神は神秘的な場所の主です。  彼の領域は北にあります。

下の蛇: この神はイガルトの国にいます。彼の神秘的な領域は北にあります。

 
シーン4

 2つのグループ、10柱の神々は冥界の神々です。最初のグループの5柱の神々は頭上に円盤が描かれています。

 

1、3、5番目の神々は暗い顔と2つのコブラを持つ白い円盤が描かれています。

2と4番目は明るい顔と黒い円盤があります。

これらの神々の名前は:

不思議な顔、恐怖の主、凄い魔法、

美しい心、奉納品を受け取る人。

 

 

2番目のレジスターの神々の頭は:コブラ、2つの角と円盤、2匹の蛇、正面を向いているロバの頭、そしてランプです。 これらの神々の名前は:

恐怖の主、大恐怖、場所の主、効率的なもの、強い火を吐く者

 

このグループの後には巨大なコブラが描かれています。

 

 

 
シーン5
コブラの蛇の後ろには、3匹の蛇が家から出てきています。死者の書の最後に書かれる部分、第149章と第150章を表していると考えられます。

 

 
これは写真が無いので探すのに難しそうですね。
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こちらのパピルスはこちらの本に載っています。P52
神話パピルスについて知りたい方はこちらをどうぞ。
『Piankoff, Alexandre; Rambova, Natacha - Mythological Papyri - Texts』