ついにパート練習をしないまま、GP・本番に突入

前日のGP
ナレーションが俄然いい感じになる。
弦セクションのテンションが急上昇していて面食らう
真夏はいつものとおり序曲がなかなかまとまらず四苦八苦
結婚行進曲ではついつい音量をがちになり、へばってしまった
宗教改革は迫力ありだがちょっと粗っぽい
暗雲たちこめるけれど本番直前にはよくあること。相変わらず気を揉ませるオケである。

当日のステリハ
タクトダウンと同時に一同本番スイッチON、テンション
宗教改革の冒頭、弦の響きが素晴らしい
照明と音量を入念に調整。
真夏の序曲も最終調整に余念がない。
早めに始まった割にはあっという間に終わった。

そして本番
<真夏>
信じられないほどの集中力と繊細さで序曲をクリア
これで成功が見えたといっても過言ではない。
ナレーターさんも本番スイッチONとなり絶好調に冴えわたる
続くスケルツォも難曲ながら歯切れが良く気持ちいい。
フルートはじめ木管のみなさんのアンサンブルが絶品
よほど練習したに違いない。
照明のタイミングばっちりで雰囲気がさらに盛り上がる。
ソロや合唱の歌声がまるで妖精が飛び交っているように会場いっぱいに美しく響いていた
やはりメンデルスゾーンの歌モノは最高だ。
ノクターンのホルンのソロが完璧で、感動的でさえあった。
結婚行進曲や道化踊りではテンション最高潮に。
出番は少なかったが聴いていて楽しめたし、実に楽しい気分で演奏できた。
後で来場者アンケートの一部を見せてもらったところ「ナレーションがよかった」との意見多数
プログラムのイラスト入り解説もとてもわかりやすかったと大好評
忙しい中、台本を書いたり打ち合わせをしたり、いろいろしてくれた演出委員会の人たちの努力の結晶である。
苦労が報われるとはまさにこのこと。
なかなか鳴り止まなかった拍手がそのことを物語っている。
<宗教改革>
1楽章
崇高なドレスデン・アーメンに心が洗われる思いがする。
冒頭のD-durのコードがもっと合うとよかったが、本番ではあんなものかな…。
そのかわりC-durはきれいにハモッた。
ファンファーレも明るい音色が出せた
と思う。
一転、アレグロの主部はの中で険しい岩山に登るがごとく激しくたたみかける。
わずかに救いがあると思いきやすぐに打ち消され、
ルターの苦悩に満ちた波乱の生涯を余すところなく表現できていたと思う。
物理的なテンポはそれほどでもないのだが、スピード感あふれるアツい演奏
しかも迫力だけでなく弦セクションのレベルの高さが際立つ
もうこれだけでお腹いっぱい。
2楽章
深刻になり過ぎたので、ここでちょっと口直し。
速過ぎないちょうど良いテンポで軽快に進んでいく。
オーボエのデュオはじめ木管のアンサンブルがここでも光る
3楽章
短いながらも心に沁み、深く考えさせられる。内省に満ちた響きが会場を包んでいた。
自分はこれでいいのかと自問自答させられているような気がした。
4楽章
そうやって悩んでいるところにフルートの「神はわがやぐら」が朗々と響く。
木管のコラールにやがて金管も加わって神への賛歌となる。
オルガンのペダルのような低音はコントラファゴットとバストロンボーン。
静かに入って大きくクレシェンド、思い切りテヌート。
音程もばっちりで、今までになく厳粛で荘厳な重低音が出せたと思う。
アレグロの主部になると、神とともにある喜びがはじけたように走り出す。
後年のオラトリオ「エリヤ」にも通じるフーガが実に粛々と折り重なってゆく。
弦セクションの非常に高いアンサンブル能力に脱帽。(「金管ガンバレ!」の声も…)
実は展開部でちょっとだけしくってしまったが、強奏のところだからきっと目立たないだろう…
再現部でフーガに「神はわがやぐら」がかぶってくるところがバランスばっちりで大成功。
ラストのコラールは少し張りつつも決して無理をせず柔らかい響きを心がけた。
やはりD-durは教会の響き。魂が浄化され、実に清々しい気持ちで演奏を終えることができた。

パート練習をしておけばもっときれいにハモることができただろうことは大いに反省すべきだが、なんだか今回の演奏、あんなにヤバかったのに結局とてもうまくいってしまった。
こういうことが何度も重なると、もう石毛先生に神が宿っているとしか思えない。

願わくば金曜日に受けた資格試験にも神のご加護があらんことを。(苦しい時のなんとやら…)
アーメン