棒が違えば

いつもと違う指揮者がくるとオケの雰囲気もがらりと変わるものだ。いい意味でものすごい緊張感が走っている。

ひとたび棒が振り下ろされるや、先週までとはまったく違ったサウンドが鳴り響いた。ピツィカート一発からして音が違う。みんな棒の先からどんな音楽なのかを嗅ぎ取ろうと躍起になっている。
それに対して自分はなんとかついてゆくので精一杯である。もっと余裕を持たねば…。ソロ落ちたし…(-o-;;
それでも、いつもの指揮者がどうやっているのかとかをあまり気にせずにご自身の音楽をしてくださったのでかえってやりやすかった。練習の進め方もサクサクと手際がよかったし。
特に弦楽器はすばらしかった。弦楽器のみピックアップでやってみた部分は本番さながらの熱の入りようで先生からは「ブラボー」の声が出、メンバーからは思わず拍手が出たほど。
何事にも感動が薄くなっている昨今、練習でこんなに感動したのは久しぶりだ。
それに違う指揮者がきてもちゃんと対応できるようになったこのオケ全体も大したものだと自画自賛してしまう。

先生からは「これ本番いつ？え？１２月？こりゃぁすごいよきっと。」とお褒めの言葉をいただいたし、後に「とてもいいオーケストラですね。音楽を楽しんでますし、どんどん良くなると思いますよ。」とメールをいただいたそうだ。

たまに違う棒が入ると違う風が吹く。
とても勉強になるしフレッシュな気持ちになれる。ずっと同じ指揮者と共にじっくりと時間をかけて（６ヶ月：通常のアマオケの２倍）音楽を作り上げてゆく当団のスタイルの中にあって、時々違う指揮者と付き合うということは一粒のスパイスのごとく貴重である。
これからもこういう機会は大切にしてゆきたいし、今回の先生にはまたお願いしたいと思う。