こんにちは。
歌詞考察、一回目はクリープハイプの左耳という曲です。
クリープハイプのファンでない方でも、邦ロック好きな方なら一度は聞いたことがあるでしょう。
初期のクリープハイプをぎゅぎゅっと濃縮したような、歌詞や楽器から伝わるアンバランスさ、切なさのある一曲です。
ここからはあくまでも私自身の解釈によるものなので一興として楽しんでいただければ幸いです!
ダサいTシャツ着て 寝息を立ててた
規則正しいリズムに安心してた
尾崎世界観のギターから始まり、間のとれたリズムで始まるこの楽曲。しっとりとした雰囲気があります。本当に初期のクリープハイプ、といった感じです。良くも悪くも捉えはしませんが。
さて、出だしのこの歌詞。ボーカルの緩やかな息遣いと共に、落ち着いたトーンで歌われていますが。
ダサいTシャツ、、男女の生活感溢れる単語です。若いキラキラしたカップルはルームウェアみたいなお洒落なものを着るのでしょうか。しかし、この二人は違うみたい。
ダサいTシャツというとどことなくヨレヨレで、着回されている感じがします。言い方が悪いですけど貧乏くさいというか、まだ当時はそれほど有名でなかったクリープハイプの売れないバンドマンという感じも滲んでます。女性目線でリアルに描かれている曲なんですけどね。
男女、横になって寝てる二人。
情事の後寝てしまったのでは、という勝手な解釈をしています。少なくとも寝る前イチャイチャはしてたんじゃないかなと。
規則正しいリズムに安心、交際してすぐの話ではなく、少なくとも3ヶ月は経ってそう。でも、まだお互い冷めてる訳ではない、といった様子が浮かびます。
愛し合ってても朝起きたら隣にいるのに、ふと寂しくなる歌、リアルです。
君がいなくなったら アタシはどうなるかな
君がいなくなったら 寂しいな 悲しいな
言ってしまえば、この女の子ちょっと重たいです。まあこれぐらいが寧ろ普通なのかもしれませんが。
仲も良い、今すぐに何処かへ行ってしまうような不安はない。けれども心の奥でふと感じてしまう寂しさがあるんですね。言い表せないけど、ぼんやりとした不安が時々襲いかかってくる感じです。
彼氏の方は何も考えてなさそうなんですけどね。
左耳 知らなかった穴
覗いたら昔の女がいた
アタシは急いで ピアスを刺す
左耳をふと見ると、彼の左耳にはピアスホールが空いています。自分が知らなかったということは彼女の前でピアスを付けていなかった可能性が高いです。
昔の女を連想させるようなピアスホール。
何故だろうと考えてみたんですが、浮かんだのは二つ。
ピアスが昔の女の趣味だったということ。
(別れてつけなくなった)
もう一つは、自分の知らない青春時代の彼と、その隣に女の子がいたという、リアルな妄想が浮かんでしまったということ。
どちらにせよ、切ないです。
前者は完全に拭いきれない昔の彼女の影だし、後者は自分の知らない彼の楽しかった思い出がある。
ピアスホールが塞がってないことからも、察するにそんな昔の話ではないのだろうなと。
(あくまで想像ですが)
女の子は悲しくなって咄嗟に穴を塞いでしまいます。
私の前好きだった人もピアスホール開けるの失敗した痕が残ってたなぁとふと思い出しました。
それで起きて 寝呆けた顔して
これくれるのなんて聞いてくる
別にそれもう要らないし
彼氏がようやく起きたようですが、描写から無神経で鈍感な様子が伝わってきます。
ここが男女の差で難しい所なのですが、普通の人は彼女の心情なんて察せません。女の人独特の「わかってくれないの?」という気持ち。彼氏に対する皮肉交じりの描写です。
別にそれもう要らないし、ここから女性の強がっている部分が見えます。
不安でも、それを嘘で埋めて取り繕うのは切ないですね。
ここからが重要なのですが、男性を皮肉って、嘘ついていてもこの女の子は男性のことが大好きなんですよね。きっと。笑
昔の拭いきれてない女の影が見え隠れすることに苛立ちますが、それは彼を想っているからこそ。その好き、でさえも男性が鈍感だからなのか、どうしてこんなに伝わらないんだろうという空振りしてる感じも伝わります。
二番に入ってからも、上手く女性が気持ちを伝えられない歯痒さが散見させられます。
繰り返しの箇所なので後の歌詞は省略させていただきます。
クリープハイプの左耳という曲の解剖を自分なりにしてみました。
中々好きな歌なのでいつかコピーしたいなあという願望があります。
では、また。