井上尚弥、お見事! | basser-t-0407さんのブログ

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おはようございます。


梅雨入りとセットになった冷え込みで、しばらくは釣りに出てもよい結果を期待できそうになくしょぼくれている者です。


井上尚弥、ノニト・ドネアに2RTKO勝ち。ドネアの所持していたWBCタイトルを奪い、WBA、WBC及びIBFバンタム級のタイトルホルダーとなりました。


WBSSの決勝から2年7ヶ月。

前回は2ラウンドにドネアの強烈な左フックを浴び右目上をカット、鼻血も出すなど厳しい展開。それでも打ち合いでドネアにダメージを与え続け11ラウンドにはボディブロウでダウンを奪い、ユナニマスの判定勝ち。試合後眼窩底に加え鼻も骨折していたことが明かされ、改めて驚かされたものです。

試合前は、いっくらドネアが怪物だってもう37、早いラウンドで井上がストップしちゃうんじゃない?と思ってたんですが、いやいやとんでもない。あの2ラウンドの強烈な左フックで井上は眼窩底を骨折、以後相手が二重に見える状態でフルラウンド戦い続けたというのだから、ドネアはやはりバケモノでした。

深く切り裂かれた井上の右瞼は傷を縫われ、目がパッチリとかわいらしくなっちゃいましたね。これからも切りやすくなるなぁ、とあれから心配しています。

井上によれば、前回の「苦戦」でドネアの評価が上がったことが悔しかったとかで、ドネアが世界戦線を生き残っての再戦を熱望していたとのこと。まさしくそれが叶ったのだけれど、オイラからすると38歳のドネアがWBCタイトルを再び手にし、連続KOで防衛戦までこなした上でやって来たことが驚異的なのであった。前にバンタム級の王者だった頃のドネアのかわいらしい写真をご覧なさいな、今のドネアはオッチャンですよ、まぎれもなく。


そして昨夜のリング。

ドネアのコンディションは決して悪くないように見えた。バランスもよく、開始直後の左フックも速かった。

しかし井上も仕上がっていて、速いブロウを繰り出して前に出るドネアを迎撃する。

ワンツーからの左フックは相変わらず強烈そうで、当たれば試合の趨勢が決しそうな感じ。

1ラウンド終了間際、ダウンを奪う少し前、ちょっとミックスアップした後に井上が放った渾身の左フック、ドネアの頭の上を通過したけど、あんなに殺意のこもったブロウがもし当たってたら1発で試合は終わってたな。

その直後、左ガードを下げてダックしたドネアの頭部に井上の右フック。ドネア、ダウン。ゴングに救われる。


タイミングはよかったけど、「アレッ?」とも思った。井上自身も「そんなに手応えはなかった」と試合後語ってたし。

2ラウンド、井上は一気にではないけど仕留めにかかる。左フックが再三ドネアを捉え、ぐらつかせる。

フィニッシュも連打の中の左フック。コーナー付近で仰向けに倒れたドネアを見、レフェリーはカウントを取らず試合を止めた。

宣言どおり、圧倒した井上。試合後も冷静に振り返り、インタビューに応えていた。

ドネアはおそらく心のダメージが深かったんだろう、会見には出なかったとのこと。偉大な選手もいつかグローブを壁に吊るす日が必ず来る。それを悟ったのではなかろうか。1ラウンドのダウンも、歴戦のダメージの蓄積によるものという印象を受けた。


さて井上のお仕事は見事でした。これぞプロ。ただね、1ラウンドのダウンを奪った後、一旦はニュートラルコーナーへ行ったものの、カウントの最中にレフェリーの背後に寄って行く。これ、やめようよ。「ボックス」の声が掛かったらすぐ追撃できるように、ってことなんだろうけど、これはマナーの問題。4回戦ボーイなんかじゃなく世界王者なんだし。

昨夜の解説席にいた山中慎介が現役の頃、いくら防衛を重ねても、相手からダウンを奪った後、カウント中のレフェリーのすぐ後ろに忍び寄って「待機」していて、レフェリーに押し戻されているのを何度も見た。こうなっちゃうともう世界王者としての品格の問題(笑)。具志堅用高は日本の世界王者としては傑出していたけど、いつまで経ってもダウン後の加撃が改められなくってオイラの中では尊敬できるボクサーではなかった、ってのと同じ感覚。

ダウンを奪ったらニュートラルコーナーに寄りかかってレフェリーのコールを待つくらいの余裕を見せて欲しいものです。矢吹丈みたいにねw

今回井上の使用グローブはレイジェス、ドネアはエヴァーラスト。同じグローブを使わない試合が当たり前になったようですね。この風潮もよくわからないなぁ。リミットでない契約ウェイトでタイトルを賭ける試合もしょっちゅうあるっていうし。じゃあ階級ってなによ、とかね。


セミの前の井上拓真ー古橋岳也の試合、「WBOアジアパシフィック王座と日本王座の統一戦12ラウンド」ってのも失笑もの。

いつから日本タイトルは12ラウンド制になった?そのWBOのタイトルって名前はデカいけどナショナルタイトル並みなんだ、へえー、である(本っ当にでったらめだなぁ)。

でもって試合は「ヤマの見えちゃう」退屈なもの。古橋は単調な前進を続け正確さのまるでないパンチを振るうだけ、井上も相当な数のパンチを当てているのに仕留められない。いやー、放送枠デカくすりゃあいいってもんじゃないよね。それと古橋、確実にパンドラになるぞ。「打たれ強くてパンチ食っても倒れない」なんてのは迷信でただ危険なだけだからね。特に「だんだん相手のパンチが効かなくなる」傾向はいけないとも聞きます。


セミファイナルの日本スーパーライト級(この、上のクラスの「ジュニア」でなくて下のクラスの「スーパー」って表示、WBCは昔っから使ってたんだけど、オイラいまだに馴染めません。WBAが「スーパー王者」なんていうクソシステム導入してからはなおさら)、平岡アンディー赤岩俊。


「中盤以降秘密兵器を出す」としていた赤岩のそれはサウスポーへのスイッチ。それが功を奏すことはなく、6ラウンドTKO負け。なんか悲しかったぞ。平岡ってオイラ苦手なんだよね。全てが下品で。

そしてメインの井上ードネアまで長く空いてしまい、穴埋めカードをちゃんと中継する気のない画面を見ていたら意識が飛んだ。

目が覚めたら国家吹奏(じゃないね、今は(笑))が終わってた。ヤバいヤバい。ギリギリセーフなのでした。よかった、本当に。

あ、あとひとつ前々から気になってる、というかイラついてること。最近のボクシングのリング、選手が動くたび「バコバコ」音がしてとおおぉ〜っても耳障り。「安普請」なのか、プロレスと共通のを使ってるとすれば敢えて音が出るような作りなのか、マイクがしっかり拾っちゃってるんだよね、よろしくないことに。後楽園ホールのリングではあり得ないでしょ。あれは改めるべきだよ、絶対。プロレスとは違うんだから、ボクシングは。

リングが音を立てたりすることなく、ブロウの音が響くからこその迫力なのである。「ボクシングもプロレスもリングなんて一緒だろ」などと思ってるヤツにはボクシングに関わって欲しくないのである。オイラはプロレスも好きだし、好きであるが故にそう思う。


そしてそして遂にフジテレビのボクシングも地上波から撤退してしまったようで、井岡一翔が引退したらTBSも止めるのかな。そうなると遂に地上波からボクシングが消える。こんな時代が来ようとは夢にも思わなかったよ。全てはボクシング界自ら(統括団体、コミッション、協会、プロモーター=ジムオーナー、テレビ局)の愚かさに起因するとはいえ、なんだかなぁ。

Amazonプライム・ビデオの番組にしても、総合司会が上田晋也ってのはなぜ?とても胡散臭く説得力に欠ける、悪いけど。アイツってボクシングファンなの?1ラウンドダウンを奪った井上の右も「クロス、クロス」って(苦笑)。まぁ今日びのアナウンサーも色々としょーもないけど。


先日の村田ーゴロフキン、昨夜の井上ードネア。カードの価値に相反して、テレビ中継とともに歩んで来た日本ボクシング界の落日を目にした思いです。