観ちゃいました、2本。 | basser-t-0407さんのブログ

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おはようございます。

あれから丸6日、どうやら火事の恐怖が薄れてきたように思える者です。

昨日は隣の駅エリアのイタリアンの店にカミさんと行き、昼メシを食ってまいりました。
店に着いて、久々だね、などとカミさんと話しポイントカードに記された日付を確認したら、ふた月半振りでした。それまでは2ヶ月に3回くらいのペースで通ってたのに。そんなに開いてたんだ…。
オイラ自身、腰の調子が悪く、あまり元気に過ごしてなかったせいでしょうか。

さて、去年から、購入しても観ていない映画のディスクが何枚かあり、こりゃいけないと最近観始めました。
まぁ映画好きでガンガン蒐集するような人からすれば、お話にならない点数ですけれどもね。


↑このうち「天空の蜂」だけは買ってすぐにカミさんと観ました。原作は面白かったし、劇場行きたかったけど見逃したので。感想は…「うぅ〜ん」でした。震災前だったら「原発のタブー」に触れ、映像化自体が無理だったんでしょうけどねぇ。
皮肉なことに、フクイチが吹っ飛び原発の本当の恐ろしさが知らしめられたことにより、想像することによる恐怖を喪失してしまった。

「チャイナ・シンドローム」、「砂の器」、「鬼畜」は過去に観たことのあるもの、「ロスト・バケーション」は一昨年劇場で観たもの。だからまあ後回し。

まず、こいつを観てみました。


国内じゃ販売されておらず(何年か前にムック本の「付録」としてシレッと流通したことがあったそうですが)、輸入盤。Blu-rayだと北米仕様が日本とリージョンコードが一緒なので観られます(特典はなぜか音声しか再生されず。この個体の不具合か、仕様のせいなのかは不明です)。

この映画、ルーカスやコッポラが関わったとのことでして(そして英語ナレーションはロイ・シャイダー)、なおかつ日合作。
その割に画面は貧乏臭く、とても日本映画っぽい。特に、劇中劇みたいに挿入された三島作品の映像化部分がセットを含めやったらチープ。舞台劇みたいと言えば聞こえがいいけど、下手すりゃドリフのコント。
一方、最後の市ヶ谷駐屯地での「クーデター」場面は、実際の事件の「再現度が高い」んだそうです。
緒形拳演じる三島由紀夫は妙に生々しくてその変な存在感が印象に残ります。
ネガからのテレシネらしく映像はきれいですが、褪色したような色合いは意図的なものなのかレストアしてないためなのか。
そのせいもあり、総じて1985年の作品とは思えぬ古びた印象で、なんとも不思議な映画です(笑)。

で、よせばいいのに他を開封しないうちに先日つい購入してしまった輸入盤がこれ↓

ケースごとだとハネるので、ジャケの紙を引っ張り出して撮りました。
この作品、何だかお分かりになりますか?
実はこれです↓


ジャジャーン、って御存知の方は誰も驚かないでしょうけど。
(アングラな「ブルーフィルム」を除き、公式の「映画」としては)日本初のハードコアポルノだという大島渚の「愛のコリーダ(1976)」。
公開当時は中坊だったオイラ、当たり前ながら観てません。テレビでオンエアされたことなんてのもおそらくないでしょう。

日本公開版はズタズタにカットされていたそうですね。2000年の再公開時は、長さこそオリジナルに戻せたもののボカシの乱舞だったそうな。
で、今回のBlu-ray、輸入盤ですのでノーカットです。もちろんボカシもなし。「最長版」ではないですが。

大島渚監督のこのフィルム、「阿部定事件」をネタに男女の「究極の愛」を描いた作品、ってことなんですけれど…。
正直、ストーリーは有って無いようなものですね。
そしてまた、大人になってモザイクのない鮮明なビデオ映像をさんざっぱら見てきた者の目には、衝撃的なフィルムでもありません。当然のことながら。

それでもなお、日本に「AV男優」なんぞ存在しなかった40年前に、普通の俳優としてこのオファーを受けた藤竜也はすごい。大変なことだったはず(しかも出演したことによりギョーカイで敬遠され、その後2年間仕事がなかったそう)。
加えて奥さんの芦川いづみはどんな気持ちだったのでしょう。
これが映画デビューだった松田英子にしても、決断したその胸の内は計り知れない。

という感慨を抱きつつも、「カメラの前で性行為をする」という事実の強烈な重さの割に映像はかなりおとなしめです。これが1976年の限界だったのかな。

定が吉蔵を殺してしまうに至る「加速」も分かるような分からないような。この辺りは実際の事件も突発的な「事故」とも呼べる面が否定できないようですし。
ラスト、阿部定の名を世に知らしめた、男性器を切り落とすシーンはとてもリアルに描かれていて相当に猟奇的です。これは大島渚のこだわりか(笑)。
ネガからのテレシネで映像は鮮明です。セットも重厚、画面はちゃんと「映画」してます。「エロチシズム」に関しては物足りないけど。
むしろ「そういう部分を見せないで(撮さないで)、行為自体はより過激に本当にいたした」方がエロかったのではないだろうかと思ってしまうオイラがいます(笑)。

と、まとまらないレポートになってしまいましたが、国内正規盤のない2本、ご紹介いたしました。

こういう作品も、さほど困難でなく観ることが叶うようになりました。
やはり「いい時代になった」ということなんでしょうね。