若手社員のやる気を引き出すために、どういった社内サービスをするべきか?の考察(パソコン読者用) | 新・バスコの人生考察

若手社員のやる気を引き出すために、どういった社内サービスをするべきか?の考察(パソコン読者用)

※2008年・9月11日の記事を再編集


 先日、サラリーマンをやっている友人と食事をしました。


 彼は内勤で、1日中、デスクでパソコンとニラメッコをしています。保守的な会社だそうで、「働きづらくて仕方がない」と言います。残業手当がつかないのはもちろんのこと、夏場など、経費削減でクーラーを切られるらしいのです。


 夏場に汗をかきながら仕事をするなんて、能率がいいわけがありません。かえって仕事が遅くなり、結果として、会社の利益を損なうことになるでしょう。


 経営者の頭が固いと、社員はやる気が出ません。逆に、経営者の脳が柔軟であるほど社員にやる気が芽生え、会社の業績は上がるでしょう。


 最近、社内の会議机を横型ではなく、丸型のテーブルにする企業が増えてきました。


 横型だと、みんなで話し合うという空気が作りにくいです。全員の顔を見渡せるように円に座ることで、議論が活発になるらしいのです。カフェで雑談をしているかのようにリラックスでき、下の者でも意見を言いやすくなるんですね。


 デスクワークというのは、リラックスすればするほど、能率が上がります。たとえば、各デスクごとに板で仕切りをつけるだけで、仕事に集中できるのです。


 人は、誰かに見られているのを意識すると、集中できません。


 特に新入社員は、「失敗したらどうしよう……」「怖い上司の視線が気になる……」などと、慣れない業務にビクビクしています。視線を消してリラックスさせてやれば、仕事を覚えるのが早くなるのです。


 昨今、入社してすぐに辞めてしまう若者が、あとを絶ちません。その原因が、学生気分が抜けない本人自身にあるとはいえ、会社のほうも知恵を絞って、働きやすい職場に変えていかなければならない、と思うのです。


 では、若者のやる気を引き出すには、どうすればいいか?


 これは、社内サービスを向上させるしかありません。業務内容そのものではなく、働きやすいように職場環境を変革し、常日頃から、若手社員のテンションを上げてやるのです。


 合言葉は「遊び心」です。


 経営者には遊び心が必要で、柔軟な発想で社内を改善し、風通しのいい会社に変貌させるのです。


 そこで今回は、「若手社員のやる気を引き出すために、どういった社内サービスをするべきか?」の考察です。


 以下、僕が考える、社内サービスの向上案をご紹介します。かなりムチャなことばかりなので、社内の現状と費用対効果に鑑みて、ご判断ください。


 そして以下は、あくまで、内勤の社員を対象にしたサービスです。外勤の社員には給料を割高にするなどしてバランスを保ち、不満が出ないようにご対応ください。


①ソフトクリームを食べ放題にする
 これは、明日にでもできます。社内にソフトクリームの機械を設置して、1日中、食べ放題にするのです。


 コーヒーや紅茶では、社員にやる気は出ません。あくまでデザート、なかでも嫌いな人など誰1人としていない、ソフトクリームこそが効果的なのです。


 ソフトクリームをバカにしてはいけません。濃い食事をしたときや疲れているときなど、甘さを極めたソフトクリームは、多忙な企業戦士にはたまりません。甘いのが苦手という人も、ひと口食べれば甘さの虜になり、「よっしゃ!仕事、がんばろう!」と奮起できるでしょう。


 日替わりで種類を変えてやれば、なお効果は高いでしょう。


 「月曜日はバニラ、火曜日はチョコレート、水曜日は抹茶……」


 こんなふうに味を変えてやれば、「ここは、なんていい会社なんだ!」と、社員のテンションが上がります。対外的なイメージもよくなり、面接の際も、「うちの会社はソフトクリームが食べ放題なんだよ!」と言えば、学生は風通しのよさに感激するはずです。


 特に、甘いもの好きの女性社員は、たまりません。事務職は女性が多いので、「この仕事がひと段落ついたらソフトクリームを食べよう!」「仕事はつらいけど、食後の抹茶ソフトがあるからがんばろう!」と、やる気が出てくるでしょう。


 肝心のコストですが、小さな機械なら、3万円もあれば購入できます。原料代も1日数千円レベルなので、ちょっとしたお菓子を置くぐらいなら、おもいきってソフトクリームにしたほうが高い効果が見込めるのです。


 なにより経営者である、あなたの株が上がります。その遊び心に社員が感激し、あなたとの距離が縮まります。社員との壁が崩れて、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。


②デスクの下に足湯を流す
 温泉にある、足湯。これをおもいきって、全デスクの下に流しましょう。


 足湯のリラックス効果は半端ではありません。仕事の能率が上がることは間違いなく、気性も安定して、上司に口ごたえする回数も減るはずです。


 フロアの中央に、ししおどしを置いてやれば、磐石です。小さくてもいいので、日本庭園的なものを用意すれば、リラックス効果が出ます。足湯で癒され、たまに耳に入る「ポン!」という音に、仕事もはかどるでしょう。


 忙しくて旅行に行けない人も、日頃から温泉気分を味わえます。社員は、「うちの社長は粋なことをするな!」と感激し、社員一丸となって仕事に取り組めます。


 残業のつらさも緩和されるでしょうし、会社に寝泊りする人が現われても不思議ではありません。営業マンも外回り終わりに癒されますし、福利のひとつとして、考えてみてはいかがでしょうか。


 肝心の工事費ですが、10メートルで200万円ほど。標準的なフロアであれば、1000万円もあればできます。かけ流しにすれば循環して使えますし、維持費もしれているのです。


 無理だと言うのであれば、最低でも、フットマッサージ機はほしいところです。足つぼを押されながらだと仕事がはかどるので、社員全員の足元に置いてあげてください。


③1日に1回、ビンゴ大会を開き、数字がそろった先着3名は翌日、仕事が休みになる
 これは、かなりおもいきったことなのですが、効果は高いです。


 急な休みが舞い込んでくることから、社員のテンションが上がります。そのテンションがやる気を引き起こし、普段以上に仕事がはかどるのです。


 まず、昼休み終わりに、フロアの社員全員にビンゴカードを配ります。そして、司会者(総務がベスト)立会いのもとビンゴを行い、仕事に支障をきたさない人数分だけ、翌日の仕事を休みにしてあげるのです。


 休みの分の仕事は、事務職で引き継ぎ可能なことから、同じ課の人が引き継ぎます。引き継ぐほうとしても、いずれは自分が託すことになるかもしれないので、イヤながらも、引き受けざるをえないでしょう。


 これは、たまりませんよ。金曜日に当たったら、土、日、月の3連休です。社内恋愛をしており、交際相手も同じ日に当たったなんてことにでもなれば、ウハウハですからね。


 プレゼントが商品や賞金ではなく、「急な休み」というところが効果的です。


 商品や賞金であれば、「ありがとうございます!」で終わります。一方、急な休みが「舞い込む」という、サプライズを手にすることで、テンションはMAXになります。警報が出て学校が休みになったとき、尋常じゃないぐらいテンションが上がったのと同様に、人は、驚きと休みの組み合わせが最高に興奮するのです。


 なにより、ビンゴというのがミソです。社員全員でドキドキを共有することが、連帯感を高めることになるからです。


 「おえー!1番違いやんけ!」


 「えっ、また山田さんなん?」


 誰もがこんなことを口にし、社内の人付き合いもスムーズになるでしょう。社内がイキイキしはじめ、離職率も下がるはずです。


④無料で、常駐の風俗嬢が手で抜いてくれる(男性社員のみ)
 これは、たまりませんね。「企業内風俗」として風俗嬢が常駐し、1日に1回、手で抜いてくれるのです。


 男性社員は、日頃のストレスから悶々としています。特に、精力旺盛な若手社員が悶々としていないはずがなく、社内で抜いてもらうことで、その後の仕事にやる気が出てくるのです。


 上司に怒られたときも、「お前、抜いてこいよ!」と、優しい声をかけてもらえます。忙しくて行く暇がなかったときなど、わざとサービス残業をして順番を待つことも考えられるでしょうから、総合的に考えると、充分にペイできるはずです。


 場所としては、社内の奥がベスト。


 「慰安所」と命名し、「部長、イってきます!」と言って慰安所に向かいます。混雑が予想されることから番号札を用意し、「5番の方?」「はい!」「あら課長さん!いらっしゃい!」「山下君、5番は私だよ?」「社長、失礼

しました!」などと言いながら、日頃のストレスを発散させるのです。


 タダで風俗に行けるなんて、こんな魅力的なことはありません。面接で、「このサービスがあるから御社を選びました!」と言ってくる学生がいてもおかしくなく、会社が活性化されるでしょう。


 なにより、どの男性社員も、女性社員に優しくなれます。「ああ!もうすぐ手で抜いてもらえる!」との興奮で常に機嫌がいいので、女性としても大助かりでしょう。


 女性社員と公平を期すために、文字通り「手当て」として、女性社員の給料を少し上げてやります。風俗嬢の賃金も一日拘束なら3万円でいけますし、風営法に引っかからないかぎり、今すぐにでも設置するべきでしょう。


⑤ボクサーが常駐し、腹を殴らせてくれる
 仕事というのは、理不尽なことの連続です。イヤな上司など当たり前のようにいるので、ストレスのはけ口がなく
て、誰もが悶々としています。


 そこで社内に、「ストレス発散所」を設置します。腹筋が割れたプロのボクサーを常駐させ、社員に腹を殴らせるのです。


 1人何発とかではなく、時間制にします。


 「1分間、殴り放題」


 「30秒間、蹴り放題」


 こんなふうにすれば、憂さ晴らしには持ってこいでしょう。仕事のストレスだけではなく、恋人に振られたこと、痴漢に遭ったことなど、私生活の問題を持ち込んでもOKにすれば、男女を問わず、誰しものストレス発散所になるのです。


 防音壁にすれば、「部長のバカヤロー!」「課長なんて死んでしまえ!」などと叫びながらの暴力なので、効果は高いでしょう。殴ったあとに手で抜いてもらい、それ終わりでソフトクリームを舐め、しかも翌日が休みになった

日には、最高の職場なのです。


 ボクサーとしても、腹筋が鍛えられるので大助かりでしょう。プロなりたてのボクサーなら貧乏なので、2万円ぐらい渡せば、余裕できてくれます。


 もしくは、これとは逆の発想で、犬を常駐させるのも効果的でしょう。「ペット所」と題してたくさんの犬を常駐させれば、あまりのかわいさに、ストレスが発散されるはずです。


⑥毎日、妙なオッサンが社内を回り、各社員の耳元で「がんばりや!」と言ってくれる
 これはぜひ、やってほしいです。


 まず、仕事のない、そこらへんのオッサンを1人雇います。長期契約を結び、給料も、年相応のサラリーマンなみに支払います。そして毎日、すべての社員に近づかせ、1日中、「がんばりや!」と言って回らせるのです。


 これね、毎日やられたら、次第に笑けてきますよ。


 「これ、何なん?」


 「あいつは、一体何なん?」


 こんなふうに思わずにはいられず、ボディブローのように効いてきます。そのシュールすぎるジョークに、なにより、「うちの会社は、この不景気に死ぬほどムダなことをしている!」と考えて、笑いが止まらなくなるのです。


 社員に声をかけまくった挙げ句、「お先に失礼します!」と言ってタイムカードを押されたら、こんなおもしろいことはありません。変に仕事へのプロ意識が強くて、「すいません、今日、あなたに『がんばりや!』って言いましたっけ?」と確認されたら、僕なら笑い死にしてますよ。


 しかもこのオッサンは、飲み会にも参加してきます。新年会や忘年会はおろか、お花見にもちゃっかり帯同して、「がんばりや!」と言ってきます。「あいつ、なんでここにおんの?」「あいつの人生って何なん?」と、このオッサンの存在そのものがおかしくて仕方がないのです。


 その結果、この謎のオッサンに会うことが楽しみになってきます。「また、来やがった!」と笑けてきますし、長期契約を結んだことで、「あのオッサン、ちょっと老けてきてるやんけ!」と、オッサンの人生が垣間見えて、「長

期的に、毎日笑える」のです。毎日笑えることがやる気につながり、仕事の能率が上がるわけです。


 名づけて、「がんばり屋」。


 がんばり屋は、癒し系です。「このオッサンの人生に比べたら、俺の人生のほうがましやな!」と考えて、プラス思考にもなれるでしょう。


⑦水曜日を休みにする
 これは、声を大にして言いたいです。土日だけではなく、おもいきって、水曜日も休みにするのです。


 「2日働いて1日休み、2日働いて2日休める!」


 こんなふうに考えて、会社に行くのが苦痛でなくなります。仕事に取り組む姿勢がよくなり、結果としてそれは、会社の業績を上げることになるのです。


 その話題性から、メディアも取り上げます。就職希望が殺到することは間違いなく、より優秀な人材を確保できます。株価が上がることも充分に考えられるでしょう。


 そしてその代わりに、普段働く時間を長くするのです。


 水曜日に働くはずだった時間を残り4日間で割って、就業時間を長くします。出社時間を1時間早め、帰社時間を1時間遅らせるのがベストで、事務職にかぎれば、いくらでも賄えるでしょう。


 名づけて、「ウェンズデイに休むでい計画」。この柔軟な発想が社内の活気を呼び、働きやすさを究極のものとするでしょう。


 これは現実的に考えて、充分可能でしょう。サマータイムを導入することよりも現実的で、それを証拠に土曜日を休みにすることになった際、「会社がもたない!」と経営者は大騒ぎしたのに、現在は何の問題もありません。就業体系が変わっただけで、1年もすれば、しっくりくるのです。


 あとは、経営者の勇気ひとつです。総合的に考えると、プラスになることのほうが多いと思うので、今すぐに実施するべきでしょう。



 そして、最後。これは、社内サービスを向上させるための「元締め」となる改革です。


⑧会社に、「社員にやる気を出させる課」を設置する
 すべてのサービス向上は、この⑧にかかっています。


 社内の各課とならんで、「社員にやる気を出させる課(やる課)」を設置するのです。通常なら総務課がやるはずの仕事を、独立した課にすることで、きちんと対応させるのです。


 やる課は1日中、「いかにして社員のやる気を引き出すか」だけを考えています。①~⑦のようなことを企画書にして提案し、そして実行し、費用対効果に鑑みて、社内に植えつけていくのです。


 社員に、やってほしいことのアンケートを毎日実施します。その中から最大公約数をとり、実行していくのです。


 この課があると、社員たちはこう考えます。


 「うちの会社は、社員のことを大切に考えてくれている!」


 業務に支障をきたさないのであれば、希望に沿ってすべてやってあげればよく、社員全員の士気を高めることになるでしょう。


 経営者は、長期的に見て、「社内サービスで、いかに社員のテンションを上げるべきか」に、もっとベクトルを向けるべきです。


 休日にボーリング大会を開いても、社員にやる気など出ません。定年後の福利も、現実感がないことから即効性に乏しく、やる気にはつながりにくいのです。


 「社員へのサービスは、リアルタイムで、社内で実行する」


 これに勝る、福利厚生はありません。


 今回の考察は、しょせんは素人考えです。ですが、実行の有無は別として、「ふざけんな!」「できるわけがないだろ!」と言われるような「逆転の発想」が、古い経営者に欠けていることも事実でしょう。


 たった1年で、IT業界のナンバーワンに躍り出た、ご存知、グーグル。


 グーグルは、「各国の料理を提供する無料食堂」「社内にフィットネスジムやサウナを完備」「猫以外のペットを持ち込み可能」など、社内サービスが充実しています。発想がぶっ飛んでおり、その「ふざけたこと」こそが、高い

効果を産んでいるのです。


 もちろん、「お国柄が違う!」「儲かっているからそんなことができるんだよ!」と反論がおありでしょうが、はたしてあなたは、そのような発想をお持ちだったでしょうか?若い経営者が持つ豊かな感性を、「ふざけてる!」の

ひと言で済ませていなかったでしょうか?


 いわゆるベンチャー企業では、社員のやる気を引き出すための、すばらしいアイデアが次々に産まれています。ですが大手企業、なかでも、昔ながらの保守的な会社であるほど変革を嫌い、働きにくい職場になってしまうのです。


 どの仕事にも言えることですが、成功者には必ず、遊び心があります。遊びを知っているからこそ心に余裕ができ、そこから柔軟な発想につながります。「ふざけんな!」と言われることこそが金脈になり、ロングセラーを産むのでしょう。


 この国に、「ふざけんな!」と言われるような経営者が現われることを、楽しみにしています。


 そしてぜひ、「がんばり屋」を採用してください。そのときは僕の近所に住む、Kという、異常に暇を持て余しているオッサンに行かせますから……。