試合に出るのは時々ですが
私の存在は少しずつ大きくなっていました。
ロングシュートの威力はすごく
私がボールを持つと
相手選手はシュートを警戒します。
少しでもシュートの構えをしますと
相手は跳んできます。
そうすると、相手のサイドはがら空きになります。
私はゆうゆう、相手を抜くことができました。
私の、位置はエンドだったので、
相手をドリブルで抜いていくと
バックボードの裏に出てしまうのです。
私はバックボードの裏からのシュートは
知りませんでした。
しかし、味方にパスは出来ました。
このパスはかなり効果的です。
なぜなら、味方も敵もみなバックボードの
方を向いているからです。
バックボードの裏から攻めるが一番効果的です。
私からのパスを受け取った人は楽にシュートが
できます。敵は一度振り返らなければ、
味方のシュートを防ぐことはできません。
それに、たとえシュートを外しても
相手に速攻を決められることはありませんでした。
私はバックボードの裏からのシュートを
練習しました。
ドリブルでバックボードの裏に回り込み
バックボードの裏から手をだして
レイアップシュートを後ろ向きに
打つ感じです。
丁度市内の高校の合同練習があって
その時に、このバックボードの裏から
シュートを打つドリブルシュートの
指導がありました。
私はすでに、このシュートは出来るようになって
いましたし、このプレーが正解と確信しました。
このシュートは私の得意なプレーの一つに
なったのです。
このプレーを覚えて事で
私はシューターだけでなくフォワードとしての
基礎ができました。
フォワード兼シューターの誕生です。
それ以降シュートはゴール下の徹底的な
練習で安定して打てるようになってきました。
ドリブルの練習にも熱が入り
先生の指導も効果があり
とても鋭いドリブルカットインが
出来るようになっていきました。
ターンのツーメンによって
脚力もついてきて、バテルことも無くなり
体力の限界を超えた気がしました。
デフェンスはあまり得意では無いと
思っていたのですが
先生は私のデフェンスも評価してくれました。
しかし、私がレギュラーになることは
出来ませんでした。
それは、当時のキャプテンが
先生に、レギュラーメンバーは
学年重視でと進言したからです。
先生はそのことを受け入れたようです。
ですから、私は彼らが卒業しなければ
レギュラーになることはありませんでした。
これには、歯がゆい思いでした。
しかし、先生は積極的に私を使う
ようになってきました。
スターティングメンバーには入れ
ませんでしたが
よく、先輩と交代しました。
試合に出る度に
私は力をつけていきました。
私は控えではありましたが
１試合の得点は一桁から
１０点台になり
後には、控えですが２０点ぐらいになりました。
私は時々練習をサボるのですが
ものすごく叱られました。
他の部員が休んでも何も言わなかったのですが
私は、このチームから
期待され始めたのだと
感じ始めました。
そんな中チームも強くなり
定時制の市内の試合に勝ち進みました。