カブトムシが死にました。
去年の夏、イモムシだった
カブトムシたちが羽化して
成虫になって、短い一生を終えました。

羽化に失敗したのか
羽根がそろわない子は
歩くのもまっすぐ歩けず
ヨタヨタしながら
時にはゼリーに背中くっついて
動けなくなったり
とにかく生きてました。

元気そうな子たちは
自然に還してしまいました。
自然は厳しい。
エサになる樹液を見つけられたかな?
カラスが鳴いてたけど
見つかってないかな?

自然の中に放して
よかったんだか
放さないほうがよかったのか
答えはでません。

こないだ公園を歩いていたら
ネズミがキーキー悲鳴をあげてた。
人が造った橋の角の
コンクリートと木材のスキマに挟まって動けなくなってた。

ネズミは『助けて〜』
と叫んでた。
どうにかしてあげたくて
太い草木でネズミの体を
押したりしてみたけど
びくともせず
ネズミは私の差し出した草木に
しがみついたり
噛みついたりしてたけど

どうにもできない
コンクリートと木材は
しっかり固定されていて
びくとも動かない。

『ごめんね』
とネズミに言いました。
差し出した草木の根を
すがるようにかじってたネズミは
やがて静かになり
だまって目を閉じました。

私は何もできない。

カラスがうるさかったので
草をいっぱいネズミの上にかけました。

何がよかったのか
悪かったのかわからない。

死はこんなふうに
あっけなく訪れる。

なんのために生きているのだろう?
生まれては去り
また生まれては去る
命たちはそんなくり返し

生まれ変わるとしても
またいつかは死ぬ
永遠に生きたいわけでもないけど

死んでいくのを見るのが
イヤなんです。
とうぶん、あの公園には
行かないと思います。