Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

しがない歌劇愛好家Basilioの音盤鑑賞録。
備忘録的に…


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もう7、8年前に中古屋で見かけて気になったものの先立つものがないうちに買われてしまい、ずっと探していたものの見つからず結局ポチったもの。感想としては、「うわーこれを聴かずにいたのはもったいなかった!」
タネーイェフという人自体殆ど知らなかったのだけど、この1曲だけでも凄い作曲家だったと思わせる作品です。かなりソロで歌う登場人物が多いし、舞台で観ると展開とかに不満が出そうな気もしますが、音楽は
素晴らしい!とりわけクリュタイムネストラとオレストにつけられた曲は聴きごたえがあります。開幕早々のクリュタイムネストラとアイギストスの重唱はさながら『サムソンとダリラ』2幕のダリラと大祭司の重唱のような色気と迫力がありますし、後半はほぼ独り舞台といっていいオレストの狂乱は作中の白眉でしょう。その他出番は多くないもののアイギストス、カッサンドラ、アガメムノン、エレクトラ、そして見張り役といった人たちにもかっこいい歌が用意されています。

コロミジェエヴァという指揮者もベラルーシのオケや合唱も初めて聞いたのですが、極めてレベルの高い演奏です。露ものながら土臭さよりは官能的でうねるような美しさが求められる曲だと思いますが、よく力を発揮しています。合唱の澄んだ響きも効果的。

歌手も誰一人知りませんでしたが、全員役柄にテキシタ見事な歌唱。前半の主役クリュタイムネストラを歌うガルシキーナは深い響きの力強いメゾながら甘みもあり、悪女に説得力があります。彼女に絡むアイギストスのボコフは悪役らしい苦味のある声でこちらもぴたり。オレストを演じるドブロヴィンはドラマティックで輝かしい声で英雄的。後半はかなりハードだと思いますが、120点の出来でしょう。エレクトラは意外とアリアのない役ですが、シムコは可愛らしい声でドブロヴィンとも相性よいです。逆に殆どアリアしか出番がないけどこれがいい曲というカッサンドラはチャチェンコという人で、演目中で一番露的な土臭さのある音楽を丁寧に歌っています。アガメムノンのチェルノバイエフも小さい役ながら亡霊での登場もある要役をドスの効いた声で演じています。

秘曲の名演としてもっと評価されてよいと思います。

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