Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

しがない歌劇愛好家Basilioの音盤鑑賞録。
備忘録的に…

一応全曲と言うことになっていますが、ドゥルシネの最初のアリアや合唱などかなり切り詰められていてCD1枚に収まっており、実質的にはほとんどドゥプラへのフューチャリング音源です。とは言え共演も水準以上でこの作品を聴いたという満足感は充分あると思います。

デルヴォーは意外とこの作品の音源は他になさそう。ちょっとアンサンブルが粗いところやテンポ設定に疑問はあるものの、低弦の歌わせ方などお見事です。サンチョのブドゥはややオペレッタ的ですが演技が秀逸でこの役としては◎、ドゥルシネのガブリエルは程よく低い倍音のなる色気のある声はかなり素敵なんですがちょっと間の取り方が甘いのが惜しい。

とは言えこれはもう本当にドゥプラ先生の魅力に浸るための音源でしょう。騎士道物語を読みすぎて頭がおかしくなった、という人物な訳ですが、彼の中ではそれが一筋通った信念なのだということが伝わってくるような、ひたむきな歌唱です。風車に突撃するコミカルな場面ですら、単純に滑稽な表現になってしまうのではなく、「ずれたかっこよさ」があります。ほとんどシャンソンのように歌い出す祈りも圧巻。これぞフランスのバス、という歌に魅了されます。