Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

しがない歌劇愛好家Basilioの音盤鑑賞録。
備忘録的に…

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ナブッコは大好きな作品で繰返し聴いてきたのですが、新しい音源を聴き込んだのは久しぶり。そういう意味では楽しかったのですが……


カリニャーニの棒でのフィレンツェのオケは良くも悪くも伊のオペラっぽい感じ。明るくてにぎやかな響きでこの演目にはあっていますが、アインザッツとかは僕が聴いてもあってないのでオケに拘りたい方は微妙かもしれない。合唱はパワータイプではないですが、だからこそVa, pensieroはとてもよかったと思います。録音技術もあって最後のpppもしっかり楽しめました。


独唱陣で文句なしにいいのはザッカリアを演じるヴィノグラドフ。この役あまり話題にはならないですが上から下まで結構音域が広いのに、それをきっちり破綻なく鳴らして初めてスタートラインという厄介な代物ですが、こうした点はむしろ彼の魅力を示すにはうってつけと感じました。ゆとりのある声を駆使して旋律を美しく聴かせるという点だけでも得難いところですが、細かな言葉の扱いのセンスもあって大満足です。旋律を美しく聴かせるというところでは、ベテランになってきたサルトリのイズマエーレも良かったです。全盛期のクリアな声を聴いていると少し高音が引っかかりますが、大きな問題ではありません。難役アビガイッレのシーリはパワフルな声質で迫力満点ですし、ニュアンスの出し方にも拘りを感じる一方でちょっと荒っぽすぎるように自分は感じてしまいました。この役で1番大変なあたりにチェンジがあるのか、鳴ってほしい音にタイムラグがある。言ってもこの役はベルカントの延長にあるのでもう少しパキパキ欲しいなあと。

残念ながらいちばんしんどかったのがドミンゴの歌うナブッコ。登場場面ではくすんだ音色がむしろバリトンとして違和感がなくなってきたかもと思ったのですが、声の響きが保たない。他のメンバーの声が立派なこともあって明らかに声量が不足しちゃってるんです。ドミンゴならではの言葉へのセンスが光る部分もあるんですが、いかんせん欲しいところで欲しい音が鳴ってこないし、息も絶え絶えになってしまう……バランスの大事な演目でこれは厳しいなあと。歌いたいのはわかるんだけど……


そんなわけで良い部分はあるけど手放しでオススメはできない音盤になってしまっております。ヴィノグラドフはいいから勿体無いんだけども……