陽華の父母と亮太は無事顔合わせを済ませてから2か月、ほっとしたのもつかの間、陽華は亮太と大喧嘩してしまった。


今月は亮太のシャワーを使ったあとのあまりのだらしなさが気になり、もう少しきれいに使えないかと声を荒げてしまった。

食べて使った食器も当たり前のように洗わずに置いてあり、ごはん茶碗も水につけてない。とても洗いにくい。それくらい思いやりがあってもいいだろうと思うことがある。


やさしさとか思いやりという前に常識のなさが頭にくるのだ。

あまりにも社会的ルール、日常的な作法を知らなさすぎる。

今、仕事も忙しいから小さな負担がいらっとくるのだ。


そういう時、何事もなかったように笑って済ませられる寛容さを持っていればいいのだが、少しずつのイライラが積み重なって、ついに爆発してしまった。


亮太も最初は「ごめん」と謝っていたが、あれもこれも直してと陽華が言っているうちに「疲れた」と言って黙り込んでしまった。

こういうときに亮太には何を言ってもだめで、貝のように閉ざしてしまう。

それに余計に腹がたつが、しばらく話をしなくなる。


いつか別れる日が来るような気がする。