麻子は先月よりも楽になった。

先月は大雪もあって、いろいろな予定がうまくいかなくて気持が沈んだ。

大雪の被害地のニュースを見ても暗い気持になった。

買ったばかりの皮のブーツも水がしみて斑模様になってしまった。


3月になって陽射しも春らしくなり、やっと気持が落ち着いてきた。

太陽はエネルギーだとつくづく思う。

今日、天皇皇后両陛下が訪れた伊勢神宮は火の神もしくは太陽を示す「天照大神」をおまつりしている。やはり太陽は人の暮らしに大切なものだ。

特に麻子は太陽に有難さを感じる。


冬は日照時間が短いからうつ病になってしまう人が多いそうだ。

だから麻子も冬のあいだはできるだけ太陽に当たるようにしている。


周平とも3月になって食事に行けた。

久しぶりにゆっくりおいしいものを食べて、楽しい時間を過ごし、よく笑った。

精神的にやっと落ち着きを取り戻した感じがした。

その翌週は周平と映画を観に行って、ぽろぽろ泣いてしまったが、すっきりした。

今月は前向きになれそうな気がする。

(つづく)