先日山田洋二監督の「小さいお家」を観てきました。
お話のあらすじはこれから観られる方のお楽しみですから、書きません。
印象に残ったのは「小さいお家」にお手伝いとして働いていたタキばあさんが結婚もせず一人暮らしのアパートでお正月を迎え、妻夫木聡君が演じる兄弟の孫が訪ねたときに、きちんとお節が重箱に詰めてあり、お屠蘇盆がきちんと揃えてあったことです。
一人暮らしをしていると自分一人だから何でも省略してしまい、お屠蘇もしない人も多いと思いますが、きちんとお正月の準備をする人でタキばあさんは兄弟の孫が来ることを楽しみに待っていたんでしょうね。
また別の日に妻夫木君が訪ねたときには紅茶がティーポットからカップにそそがれていました。私は一人暮らしだったらカップにティーパックを入れてしまいます。今でもよほど特別でないかぎりはティーポットは使わないです。
そしてまた別の日には小さい台所で妻夫木くんのためにとんかつを揚げてごちそうしていました。
これらの場面ををみてもこのタキばあさんがきちんとした人だったのだなーと思いました。
忘れられていく昭和がそこには描かれていました。
ストーリーもとても面白かったのですが、細部にわたる小道具の使い方にタキばあさんの人となりが出ていました。