2月に入り美加の仕事は一段落した。

雪のために多少の仕事のずれは生じたが、なんとか取引先の了承を得られることができてうまく収まった。


河井常務に対する思いはますます深くなっていって、年や立場がこれほど離れていないのならば、告白してしまいたくなる。

そんな気持ちもグッと我慢している。

自分にしては生まれてこのかたかなり我慢している。

友人にも「なんだかもうすぐ爆発しそうな火種を持っているような目をしているね」などと言われてしまった。

その時は笑ってごまかしたが、胸に秘めたるこの思いが叶うことの可能性は少ないだろう。

思うだけでもいい。思うのは自由なんだからと、自分の思いを遊ばせる。


今はきれいになりたくて、エステに行ったり、洋服も新調した。

友人たちと新年会をしたり、鬱憤を晴らしている。

友人達も美加が苦しい恋をしているようだと察しているようで、悩みがあるなら話しちゃいな、などと声をかけてくれる。

会社には関係のない学生時代の友人にはほんの少しだけ打ち明けた。

打ち明けた友人は「今は動けない難しい状況だね」と話してくれた。

(つづく)