12月のクリスマス、麻子は周平と無事に楽しいデートができた。
もうみじめなクリスマスの思い出は消し去ろうと決めた。
周平はクリスマスプレゼントにクリスタルガラスのテディベアのブローチをくれた。
麻子はそれをとても気に入った。
周平も麻子のプレゼントを喜んでくれて、とても嬉しかった。
年末年始は両親と姉の家族とにぎやかに過ごし、松の内が明ける前に姉の家族が帰ってしまうと、家の中は静かになってしまい、母も気が抜けたと言って、風邪をひき寝込んでしまった。
正月休みが明ける前に麻子は会社の後輩で去年くも膜下出血で倒れたるみのお見舞いに栃木まで出かけた。
るみの病室に入るとるみはテレビを観ていたが、麻子が
「るみちゃん、お元気?」
と入っていくと、
「麻子さん、遠いのに来てくれたんですね、ありがとう。」
と顔を歪ませて笑って言った。
「顔色がいいね。リハビリは大変なの?」
「なんとかやってます。」
がんばってね、と言ってはいけないそうなので、気をつけた。
両親の住む町のリハビリテーションセンターに入院して、ちゃんと話せるようになっているが、まだ左半身が自由に動かせない。
これから先のことは悪くて聞けなかった。
くも膜下出血の後、リハビリ中の人は脳が子供にもどってしまうことがあったり、また将来に不安を持ってうつ病になってしまうこともあるそうだ。
とても接し方が難しいらしい。
るみは強く両親から言われているらしく麻子に感謝の気持を表してしていた。あの気の強いるみはこんな病気でもしなければ、威風堂々としていたことだろうに。
「またそのうち会いにくるね。」
そう言って麻子はるみの病室を後にした。
麻子は正月休みも明けて会社に出勤するようになり、また忙しくなった。