己日生まれのありそうな話 10月編パート2


「お酢を飲んではいけません」

田中君と酸辣湯麺を食べて元気になった真紀が酢が身体にいいかと思って、薄めて飲むタイプのお酢を買おうと話すと叔母の裕子が真紀に言った。

「お酢は刺激が強いから胃潰瘍になってしまった人がいるのよ。だから調味料としてほどほどに使うのはいいけれど、飲んではいけないよ。」

叔母の裕子は母に言ったら叱られるようなことも、優しく聞いてくれるので話がしやすい。

ずっと独身で長く会社員として勤めているから、社会人としての先輩でもあるのでよく相談に乗ってもらう。


叔母が言うには、まずコーヒーは身体を冷やすので一日に2~3杯にしておくこと、夕方からは温かいほうじ茶を飲むこと、生姜が身体を暖めるといっても生姜をお湯に溶かしてがぶがぶ飲むのはよくない、今流行りの玉ねぎ氷なんか貧血になるから生理のある女性は使ってはいけない、今まで薬味として使ってきたものは成分が強いからそのものを直接食べてはいけない、何事もほどほどにといつも言っている。

日本人が昔から食べているものが一番日本人の身体に合っているのだという持論である。

そして食事は大切だが、会社でお昼休みが来たらお腹が空いていなくてもお昼ご飯を食べることはよくない、ちゃんと身体の声を聞いて食事を取りたいときに取りなさいと言う。会社に勤めていれば昼休みが過ぎてから食事をすれば非常識なことだが、お腹が空いたときにサッと食べられるものを用意しておけばいいの、と言っている。


また週に一回は夕食を食べない日があってもいいとも言っている。

よくお酒を飲む人は週一で休肝日を設けるというが、食べたくない夜があれば胃を休める日があってもいいそうだ。

食べたくて仕方がなくて、食べないことがストレスになるならもちろん食べたほうがいいけれど。

叔母の話は結構ためになるのだ。

(つづく)