水に浸かったら・・・ | Basic すたっふ~! Blog

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冠水車を動かすときに注意したいこと


冠水車を動かすときに注意したいこと


エンジンを切った状態でも、バッテリーからは常に電流が流れているため、配線のショートなどによる出火の危険性がある

■冠水車は配線などのショートによる出火の危険が!

 今回の東日本大震災の大きな特徴として、津波による被害が挙げられます。ニュースなどの映像では、多くのクルマが流されていたのが目に付きました。正確な数は不明ですが、冠水などによる被災車両の数は10万台以上にのぼるとも予想されています。

 今後、ガソリンの供給が復旧してくるとともに、それらのクルマを動かせないかと考える人も出てくると思われますが、冠水したクルマを動かすときには特別な注意が必要になってきます。特に気をつけるべきは、電気系統のショートによる発火や火災です。

  クルマの配線やカプラーの接続部などに水が付着すると、そこから電気がリークすることが考えられます。特に塩分を含んだ海水は、真水よりも電気を通しやす い上に、塩分によって配線などが腐食しやすくなるため、よりリークを起こしやすい状態となります。そのため、エンジンが掛からないものかと、いきなりキー を回してエンジンをスタートさせるのは危険です。

 まずはボンネットを開けて、エンジンルームのどのあたりまで冠水したのかを確認すると ともに、海水がエンジンルームに残っていないかを確認します。


エンジン本体や室内が水につかった形跡がある場合は、ショートの危険性があるため、エンジン の始動は断念すべきです。念のためバッテリーのマイナスターミナルを外した上で、ロードサービスなどを依頼して下さい。

 エンジンルーム に浸水した形跡がない場合も、クルマの外観などを含め、異常がないかを慎重に確認します。車種や状態にもよりますが、タイヤの半分よりも上あたりまで冠水 しているようですと、エンジンの再始動は難しいかもしれません。


見た目には冠水した形跡がないため、エンジン始動を試みる場合は、スターターを回すときに はできればもう一人の補助者などにエンジンルームから煙が出るなどの異常が見られないか、確認してもらいながら作業するといいでしょう。

  マニュアル車の場合は、床下程度の冠水でもそのまま放置してしまうと、クラッチが張り付くトラブルが発生する可能性があります。


いくらクラッチを踏んで も、ギアが入らないという場合は、クラッチを踏む離すという動作を根気よく続けると振動で張り付いていたクラッチが剥がれることがあります。それでも直ら ない場合は……、やはりロードサービスに依頼するのが確実です。

 また、ハイブリッド車や電気自動車では、通常のクルマに比べてはるかに大きな電流を扱っているため危険ですので、絶対に近づかないようにしてください。

■車両保険は災害専用の特約を付けている必要あり

  不運にも、クルマが完全に水没してしまったり、冠水による影響で動かなくなってしまった場合は、どのように修理するかといった問題も出てくると思います。


ただ、残念ながら、室内まで水が進入するほど冠水したクルマは、いくら修理をしても後々トラブルが絶えなかったり、シートや内装に染み付いたにおいを落と すことは難しいため、廃車とされるケースが多いようです。

 そんなとき、車両保険に入っていれば安心かと思いきや、実は一般的な車両保険 では、地震や火山、津波などの災害による損害に対しては、補償の適応外になるというのです。


これは自動車保険の約款(保険内容の説明書のようなもの)をよ く見てみると、必ず書かれているはずです。私自身、今まで意識したことがなかったため、あらためて自分の加入している保険の約款を確認してみたところ、確 かにそのような説明が記されていました。

 もちろん、このあたりは保険加入時に説明を受けるはずですが、さすがに加入時にはまさか自分がそんな大災害に遭うなど、想像がつく人はいないはずです。そのため、私のようにすっかり忘れていた、あるいは全くの初耳であるという人も多いかもしれません。

  ただし、例外として、こうした自然災害に対しても保険料が支払われる特約に加入している場合には、通常通り車両保険の範囲内で保証が受けられます。


被災に 遭われた方々は、ただでさえ厳しい状況であるかとは思いますが、まずは保険証書を見直す、もしくはご加入の保険会社に問い合わせるなどして、保険の加入状 況を確認してみることが第一だと思います。