ことばでオドる 田中泯『ミニシミテ』講談社 2024 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

田中泯『ミニシミテ』講談社 2024

 

10年以上にわたって綴られたエッセイ(山梨日日新聞)

 

まさに、ことばでオドる。

 

 

 

世界的ダンサー・俳優の田中泯さん。

 

俳優として初出演は山田洋次監督の映画『たそがれ清兵衛』、

アカデミー賞ノミネート作品

ヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』


さまざまな人々との出会い。

──監督の山田洋次、ヴィム・ヴェンダース、犬童一心、

哲学者ロジェ・カイヨワ、大江健三郎、

坂本龍一、樹木希林、中上健次、

京都西陣の大店の主人、名杜氏、芸人、山梨で農業を営む人々、

そして師匠土方巽(たつみ)──


さまざまな土地での<場オドリ>

──パリで、ニューヨークで、プラハで、

冷戦下のソ連で、福島浪江町で、奄美大島で──。


〈目次〉
第一章 カラダの言葉
世間体はどうする/怪少年/動作に現れる心を読む

監視カメラがとらえた不審な動き?

北斎に成る/年相応というのが分からない


第二章 脱皮
十代後半、八十円ハウスに居た/蒸発衝動/

父は何故、死体を見せたのか/五十七歳の脱皮/口説かれてみるものだ

感覚が言葉に優っている人/人生に飽きたら稽古をしよう


第三章 名付けようのないオドリ
空気・空間を変えるオドリ/僕は地を這う前衛である

プラハ、檻の中で裸を晒す/サンタ・クルス、

檀一雄と高倉健/モスクワ、抵抗する者達の記憶


第四章 因縁
常識破りという伝統を身につけた京都人/性格・業・運命、クソ!

熊楠との縁、憧れの宇宙線/骨が土に還る日まで/白州の風景に重なる面影


第五章 農の暮らし
ミニシミテ/野の生命と一緒にいること/悪夢は見るまえに見ておくべし

田中B吉、失踪の謎に迫る/大事にしている言葉


第六章 利己的な好奇心
何度でも立ち止まるぞ/明日は何して遊ぼうか?

単細胞だった命に遡れば/「何故」や「不思議」が無い世界


第七章 人間なのだ
「気」になる/人間の業を見つけた/「種のルール」は無いのか

二〇二一年、坂本龍一「TIME」/戦後は終わらないよ、若者よ/見せしめの刑


第八章 オドリの言葉
言葉が生まれる前のオドリ

僕のカラダで彼らがオドる/唯一無二の人として生まれる