昨日の兜太 「高崎兜太句会」2016年7月 再掲いたします。 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

2016年7月の高崎兜太句会。再掲いたします。

兜太先生をはじめ、ずらりと席に着いていて、

まさにはじまるところ。

ええっ、時計を見ても15分前。


三句選&問題句を一句。

兼題は「麦秋」

最高点六点の句から合評をはじめる。

 
  饐えし飯洗いし母よ麦の秋

評:ある時代の、ある年代にことに感慨・共感がある句では。
  
  作者の母親への想いもしみじみ感じられる。

兜太評:なんでもないことを書いたフツーの句。
     
    なぜ点が入るか、わからない。
     
    「饐えし飯」、体験があるかどうか、

    やや情でとらえ過ぎ。と佳作に。


   
  筒抜けのだんべだんべや麦の秋


兜太:前句よりよい。実感がある。
    
   麦秋だから、「だんべだんべ」の声も聞こえてくる。
    
   入選句となる。


  
   緑夜ですどこぞに耳を落としたような


評:「どこぞに耳を落としたような」の表現、面白い。
   
   緑夜のなかのしずけさを感じる。

   
   逆によく聞えるのでは?という意見も。

兜太:いや、このままとる。で入選句。

これはわたしの句。



ちなみに佳作・入選・秀逸という評価。

今回、秀逸はなし。

他の入選句はこちら。

  縁(よすが)なる鳥類図鑑麦の秋

  
  麦秋や母という自縛を解かん


  担当医初夏のおかわりできません



兜太先生の全句講評があり、

次の兼題「星月夜」を決めて、句会終了。