2016年7月の高崎兜太句会。再掲いたします。
兜太先生をはじめ、ずらりと席に着いていて、
まさにはじまるところ。
ええっ、時計を見ても15分前。
三句選&問題句を一句。
兼題は「麦秋」
最高点六点の句から合評をはじめる。
饐えし飯洗いし母よ麦の秋
評:ある時代の、ある年代にことに感慨・共感がある句では。
作者の母親への想いもしみじみ感じられる。
兜太評:なんでもないことを書いたフツーの句。
なぜ点が入るか、わからない。
「饐えし飯」、体験があるかどうか、
やや情でとらえ過ぎ。と佳作に。
筒抜けのだんべだんべや麦の秋
兜太:前句よりよい。実感がある。
麦秋だから、「だんべだんべ」の声も聞こえてくる。
入選句となる。
緑夜ですどこぞに耳を落としたような
評:「どこぞに耳を落としたような」の表現、面白い。
緑夜のなかのしずけさを感じる。
逆によく聞えるのでは?という意見も。
兜太:いや、このままとる。で入選句。
これはわたしの句。
ちなみに佳作・入選・秀逸という評価。
今回、秀逸はなし。
他の入選句はこちら。
縁(よすが)なる鳥類図鑑麦の秋
麦秋や母という自縛を解かん
担当医初夏のおかわりできません
兜太先生の全句講評があり、
次の兼題「星月夜」を決めて、句会終了。