昨日の兜太 高崎兜太句会2007年5月 すこぶるお元気、顔面神経痛でしたが♪ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

兜太先生、顔面神経痛ということで心配でしたが、


が、多少、口が曲がっているか、というくらいで。

 

検査の結果脳、内臓ともにOKで

 

今は薬、針、気功などをはやっているところとか。

しゃべるのも頭の回転も普段と変わらずで、一同、ほっとする。



ここは2ヶ月前に句稿を提出するため、

 

五月ですが、「雛」を2句と1句の自由句となった。

この句会は3句選+問題句。


問題句というのはダメな句というのではなく、

 

解釈、読みがわからない、

 

好意をもつがわからないので聞きたい、などなどのこと。

披講のあと合評をし、兜太によりすべての句の講評されて。

兜太選となり、佳作と秀逸に。



今回はめずらしく兜太選と重なった好きな句。
 
   鯨銛ずしりと錆し雛の家 

(具体的なものの提示。景がはっきりとうちだされている。


鯨銛と雛の組み合わせの妙。


ずしりとした鯨銛が時代とともに使われなくなり、

 

錆びるがままに打ち捨てられている、

 

その時代のかかった家屋敷にも雛の節句がめぐってくる・・・) 

   
   母の忌の桃の木とほくとほく立つ

(この句は「桃の木」がポイント。

 

この「桃の木」が実際の木であり、

 

なおかつ幻想のなかの木でもあるととれる。


母への想いが桃の木によりあぶり出されてくる。

 

桃の木はそこにあるのに、

 

なぜか近寄ろうとすると「とほく」なるよう。

 

この「とほくとほく」もいい)



メンバーはこの句のように文語で書くメンバーもあり、


口語、どちらでもいい。


有季、無季やはりどちらでもいい、と。


俳句では「繰り返しは魔物」と。


この短い詩形のなかでの反復は

 

うまくいけばとても効果があるが、そうでない場合は・・・。 


私のは佳作にとられた句はあまり好きではないので、他の句を。


      鉄漿の雛のからだのなかの虚     掌
(おはぐろ)       (うろ)

兜太評・ここの句会ではとられるが、「虚」までは言いすぎ。


  もう飛べぬ破れなおある炎を埋め      掌

    (ほ)

 

これは問題句で点を集める。

兜太評・影像や内面を追い求めすぎる。


    現代俳句がやってきたことのいき過ぎの傾向。



次の兼題を決め、お茶タイムへ。