兜太先生、顔面神経痛ということで心配でしたが、
が、多少、口が曲がっているか、というくらいで。
検査の結果脳、内臓ともにOKで
今は薬、針、気功などをはやっているところとか。
しゃべるのも頭の回転も普段と変わらずで、一同、ほっとする。
ここは2ヶ月前に句稿を提出するため、
五月ですが、「雛」を2句と1句の自由句となった。
この句会は3句選+問題句。
問題句というのはダメな句というのではなく、
解釈、読みがわからない、
好意をもつがわからないので聞きたい、などなどのこと。
披講のあと合評をし、兜太によりすべての句の講評されて。
兜太選となり、佳作と秀逸に。
今回はめずらしく兜太選と重なった好きな句。
鯨銛ずしりと錆し雛の家
(具体的なものの提示。景がはっきりとうちだされている。
鯨銛と雛の組み合わせの妙。
ずしりとした鯨銛が時代とともに使われなくなり、
錆びるがままに打ち捨てられている、
その時代のかかった家屋敷にも雛の節句がめぐってくる・・・)
母の忌の桃の木とほくとほく立つ
(この句は「桃の木」がポイント。
この「桃の木」が実際の木であり、
なおかつ幻想のなかの木でもあるととれる。
母への想いが桃の木によりあぶり出されてくる。
桃の木はそこにあるのに、
なぜか近寄ろうとすると「とほく」なるよう。
この「とほくとほく」もいい)
メンバーはこの句のように文語で書くメンバーもあり、
口語、どちらでもいい。
有季、無季やはりどちらでもいい、と。
俳句では「繰り返しは魔物」と。
この短い詩形のなかでの反復は
うまくいけばとても効果があるが、そうでない場合は・・・。
私のは佳作にとられた句はあまり好きではないので、他の句を。
鉄漿の雛のからだのなかの虚 掌
(おはぐろ) (うろ)
兜太評・ここの句会ではとられるが、「虚」までは言いすぎ。
もう飛べぬ破れなおある炎を埋め 掌
(ほ)
これは問題句で点を集める。
兜太評・影像や内面を追い求めすぎる。
現代俳句がやってきたことのいき過ぎの傾向。
次の兼題を決め、お茶タイムへ。