滝沢三重子先生、ピアニスト・ボールドウイン氏を走らせる!? | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

滝沢三重子先生、

 

フランス歌曲の専門家としてわたしは門をたたいたが、


「専門は現代ものよ」とさらりと言われた。


「現代(いま)に生きていて、


その時代のものをやらないで」どうする、と。



その言葉どおり、リサイタルでの曲は意欲にみちたもの。


世界初演をずいぶん聴かせていただいた。


後年はピアノ、ダントン・ボールドウィン(世界的な歌曲の伴奏者)


との相性がよかったのか、よく組んでリサイタルをされた。



そのサントリーホールでのエピソード。


委嘱作品だったため眼鏡をかけ、

 

楽譜を見るおつもり、だったのですが、


楽屋に置いたまま。


で、誰が取りに行ったかというとかのボールドウィン。

 

きっと騎士道だったのでしょうが、


「あのボールドウィンをパシリにつかうのはうちの先生ぐらい」

 

と門下生。



あるいは「大学で教えているから」と

 

ドイツリートを中山俤一に師事されて、

 

月一でピアニストとレッスンを受けられて。


「ドイツリートはリサイタルでは歌わないけどね」と。



エピソードは数々ある先生ですが、


毎年夏、生徒を連れブルガリアの声楽セミナーへ。


そのあとのヨーロッパ旅行で、買い物の山。

 

ミラノの靴屋には先生の靴型があって、

 

「マダム、これを」とその年の新作を勧められる、とか。


その荷物が重量制限を越えてしまうので、

 

生徒の荷へ分散。


さらにその後、輸送で靴やバックが!?

 

ダースで出現。

 


そうそう、オペラ「ペレアスとメリザンド」

 

ドビュッシーの日本初演で

 

小林秀雄が評に書いてくださった、と。

 

「小林秀雄の全集に載っているのよ♪」

 



先生、どうしておられますか?

合掌

 

 
 
◆滝沢三重子(たきざわ みえこ)
 
東京芸術大学卒
毎日音楽コンクール、ソ連でのコンクール第一位受賞。
ソ連・ルーマニアなど各地で「蝶々夫人」「リゴレット」に主演。
日本においては「椿姫」ヴィオレッタ、「リゴレット」ジルダ、
「セビリアの理髪師」ロジーナ、「フィガロの結婚」スザンナ、
多数のオペラの主演。
ウイーン、ソフィアでのリサイタル。

歌曲のレパートリーは
フランス歌曲(フォーレ・ドビュッシー・ラヴェル・メシアン・プーランク)
ロシア歌曲(チャイコフスキー・ラフマニノフ・プロコフエフ・
     ムソルグスキー・グリンカ・ストラビンスキーなど)

日本歌曲、現代音楽の作曲家への委嘱作品など初演多数。

コンクールの審査員としては
毎日音楽コンクール、
ブルガリアでの若手オペラ歌手によるコンクールなどなど。

東京音楽大学教授、二期会会員。