「京劇入門
ー京劇の話し、動きの基本、動きと身体ー」
まずは京劇についての講義から。
殷秋瑞先生、まさに偉丈夫といった風貌。
前日に北京から戻られたとのこと。
京劇は約200年前、乾隆帝の祝賀のため
崑劇(こんげき)をはじめ各地の劇を総集した劇。
なにより「オペラ」である、と。
日本、海外上演するときは「言葉」の関係で、
「孫悟空」など立ち回りの多いものになってしまう由。
演技の基本はまず
唱(うた)、
念(せりふ)、
做(しぐさ)、
打(立ち回り)。
役柄も
生(おとこの役)、
旦(おんなの役)、
浄(隈取りをする役)、
丑(道化役)。
それらがさらに細かく分かれている。
京劇を志す少年少女の資質を見極めて、役柄を決め、
それを一生をかけ修行してゆくことに。
殷先生は「浄」の隈取り俳優。
殷秋瑞の関公(画像は殷秋瑞HPから )
京劇では装置は机と二脚の椅子だけで、
それが芝居におうじて、寝台、山、井戸、橋になる。
俳優の所作ですべてを表してゆくのが京劇。
DVDで解説をはさみながら、見たのだが、
なにより所作が精緻にして、美しい。
「覇王別姫(はおうべっきお)」のなかから、
一部を演じてくださったが、
なんというつややかで、張りのある美声!
さらに同じ場を日本語でも!!
いよいよ、実技。
槍(120センチくらい上下に穂先、
そこに飾りの毛)を使った立ち回り。
(いままでチャンバラごっこもしたことがない(!?)けど)
「相手」と「勝ち」「負け」を決め、動きにはいる。
パーツごとに殺陣の動作を分け、稽古。
なかなか覚えられない。
相手とタイミングが合わないと槍は空をさしたり、
落ちてしまったり・・・
次の回ではその間をつなげ、
前後に諸動作をつける、とか。
くりかえし、繰り返し、練習。
あっという間の充実の3時間。