澤田瞳子『星落ちて、なお』河鍋暁斎の娘・暁翠よる父  | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『星落ちて、なお』第165回直木賞受賞作


鬼才・河鍋暁斎を父に持った

 

娘・暁翠の数奇な人生とは――。


父の影に翻弄され、

 

明治・大正の激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記」。

 

と紹介のある澤田瞳子著。

 

 

 

画鬼といわれる父暁斎。

 

暁翠(とよ)は5歳の時から画の手ほどきをうける。

 

その父の圧倒的な画力、

 

実家が火事にあっても消火をせず、写生し、

 

親が死に瀕しているその顔を筆にのせる、

 

そんな師・暁斎は

 

死してなお強い力で暁翠(とよ)を圧して。

 

暁翠の描くこと、

 

表現することへの激しい希求が

 

迫ってきます。

 

 

暁斎の息子、さまざまな弟子、

 

そのひとり建築家ジョナサン・コンドルなど

 

多彩な人物群ひとりひとりがくっきりと。

 

 

 

暁斎・暁翠の画を

 

昨年2020年2月、

 

高崎タワー美術館で観ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのおりのブログをこちらに

 

 

「暁斎×暁翠 父娘で挑んだ画の神髄」 

河鍋暁斎(かわなべきょうさい 1831-1881)、

暁翠(きょうすい 1868-1935)を

高崎タワー美術館で観てきました。



激動の幕末から明治維新、そして文明開化という時代、

暁斎のすざまじいまでの描写力、

その作品は圧倒的。その線のみなぎる迫力。

万博、パリでの「第一回日本美術縦覧会」作品を出品し、

国際的な評価も高い。

建築家ジョナサン・コンドルの師。



暁翠はその暁斎を父とし、

5歳の時の絵手本は暁斎みずからのお手製。

女子美術学校(現、女子美術大学)の教師を務め、

女性日本画家の先駆者といえます。

その画風もさすが親娘、似ています。

暁翠がやや端正でしょうか。

みごとな作品群。圧巻です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだった――。