『紅蓮の雪』、遠田潤子最新刊です! | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠田潤子『紅蓮の雪』、最新刊です!

今回の舞台は大衆演劇。



双子の姉・朱里の

 

二十歳の自殺の手がかりをもとめ、

弟・伊吹が訪れた鉢木座。

思いがけず、若座長・慈丹により女形へ。



大衆演劇の舞台も舞台裏もたっぷりと描かれ、

華やかであればあるほど闇がきわだって。



双子の血脈の背負ったもの、

両親の禁断の愛、

その真相のおそろしいほどの深淵にいざなわれ・・・


この救いのない惨い、因果の果てのような物語を

ぐいぐいと牽引する遠田の筆力はまさに圧倒的。


この『紅蓮の雪』のタイトルもこころにくい。

装画の松浦シオリのよる

あでやかな女形、内省的な青年のまなざしに

惹きつけられて。

2021年2月10日刊行




◆あらすじ 集英社HPより


伊吹の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を向かえた日、
なんの前触れもなく自殺した。
朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、
それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、
少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。
公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、
その容姿を見初め、入団を強く進めた。
伊吹は何か手がかりが掴めるのではと入団を決意し、
以降、訓練と舞台に追われながらも、
「女形」としての人気も得始めていた。
そんなある日、ひょんなことから両親と
鉢木座との繋がりが露見することに。
それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。


 

◆遠田潤子(とおだ・じゅんこ)


1966年、大阪府生まれ。

関西大学文学部独逸文学科卒業。
2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。
著書に『アンチェルの蝶』(第15回大藪春彦賞候補)
『冬雷』『蓮の数式』『ドライブインまほろば』(第22回大藪春彦賞候補)
『廃墟の白墨』『銀花の蔵』(第163回直木賞候補)
『雨の中の涙のように』などがある。