家にある仮面のなかで
ひときわ存在感のあるのが、これ。
バリ島の仮面「ランダ」です。
ランダは魔女。
飛び出た丸い目に
突き出した前歯と曲がった牙4本、
長く伸びた舌に鏡があしらわれています。
大きいです。
毛の先まで160センチはゆうにあります。
日本で手に入れましたが(牙が折れたのを修復した)、
実際にバリの「バロンダンス」で使われていたとか。
◆バロンとランダについてはこちらを引用いたします。
「バリ島の村のお寺の中には
バロンとランダの仮面を
安置しているところが多くある。
バロンは聖なる獅子で<白魔術>を使い村人を守る。
<黒魔術>を使うランダとは永遠に戦い続ける」。
ランダ 《Rangda》とは
「バリ島に住む最強の魔女。
左手の魔術<悪しき魔術>の使い手であり、
人に災厄をもたらす黒き寡婦である。
夜の暗黒を象徴する。
善人にとってランダは
恐ろしい殺戮者であり醜い老婆であるが、
黒魔術を志す者にとっては絶大なパワーと
究極の美を兼ね備えた妖艶な美少女であり、
誰もが彼女に認められ、
一夜を共にするのを夢に見るのだ。
ランダはどんな姿にも化けることができ、
人に呪いをかけて病気にさせたり
何かを取り憑かせたりといった悪事を働く。
まれに白魔法を使うこともある。
バリ島ではこのランダを鎮めるため、
ランダの仮面をつけて舞踏を行う。
その仮面に描かれたランダは、
飛び出た丸い目に
突き出した前歯と曲がった4本の牙を持つ、
ある意味でユーモラスな姿をしている。
同じバリ島で信仰されている
バロンという神獣と対になっていて、
天敵同士である。
善を象徴するバロンに対して、
ランダは悪を象徴する者となっているが、
彼女は単にバロンに打ち倒されるべき存在ではない。
バリ=ヒンドゥでは、善悪が共にある状態が
完全な状態であるとされているためだ。
ランダやバロンは相手に打ち倒されても
すかさず別の存在に転生し、
物語は同じパターンで繰り返される。
こうした輪廻の輪の中で、
ランダとバロンは永遠に
決着のつかない戦いを続けるのだ」とか。