2月20日、
金子兜太先生の3回忌。
このご本を読み返しています。
他界、その1年前にこの本が出版されています。
その扉には兜太先生の雄渾な筆で
署名が入っています。
金子兜太『いま、兜太は』青木健編 岩波書店2016年12月刊
青木健さん、かつて三島由紀夫自刃で衝撃を受け、
日銀にいる兜太のもとへ駆けつけた編集者。
金子兜太、俳句生活八十年。
そのおりの兜太の「現在、ただいま」を
多角的にうかびあがらせる。
自選自解のよる百八句(煩悩の数でしょうか)。
インタビュー、これが面白い。
青木健による卓抜な問いに、
兜太がいともざっくばらんに語る語る。
おなじ事柄でもインタビュアーによりこんなにも違うか、
と、感心しきり。
この書名のタイトル『いま、兜太は』がじつにいい。
本の画像、書名が書かれているのみだが、
帯が半分以上あり、
そこに兜太の写真がどーんと
(ちょっとお地蔵様のよう)あって、
存在感たっぷり。
本屋さん、図書館で手にとってご覧ください。
◆目次
自選自解百八句(金子兜太)
わが俳句の原風景(金子兜太 聞き手 青木健)
いま、兜太は(ケダモノ感覚の句にしびれる(嵐山光三郎)
私の金子兜太(いとうせいこう)
存り在るひと(宇多喜代子)
進化する人間 深化する俳人とともに(黒田杏子)
兜太への測鉛(齋藤慎爾)
“霧”のみちのり―金子兜太の「古典」と「現代」(田中亜美)
希望の星(筑紫磐井)
うろつく兜太―十句を読む(坪内稔典)
生きもの感覚を見つめる(蜂飼耳)
ことばの体幹(堀江敏幸))
◆著者紹介
金子 兜太 (かねこ とうた) 俳人。
1919年埼玉県生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。日本銀行に入行。
44年から終戦まで、海軍主計中尉(のちに大尉)としてトラック島に赴任。
戦後は日本銀行に復職し、74年に定年退職。
俳誌「海程」主宰。現代俳句協会名誉会長、朝日俳壇選者を務める。
日本藝術院会員、文化功労者、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。
青木 健 (あおき けん) 作家・編集者。
1944年京城生まれ。名古屋大学法学部卒業。
河出書房新社を経て、独立。
愛知淑徳大学非常勤講師(教授格)。
「星からの風」で新潮新人賞受賞
帯を取った表紙