吉右衛門&歌六 歌舞伎「沼津」 @ETV | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歌舞伎「沼津」を録画で観ました。

 

 

2017年にあった顔ぶれとほぼ同じ、とか。

芝居が緻密に練り上げられていて、感動的でした。

幕開き、茶屋娘の米吉のかわゆらしいこと、

ぱっと華やぎます。

妊婦の旅人夫婦のユーモアったっぷり。

街道沿いの人々がくっきりと。

ここがあって、悲劇へ向かって突き進んでゆくのが

鮮明になってくるのでしょう。

そうそう、歌昇と種之助の夫婦に連れられて

歌昇の長男小川綜真が初御目見得もありました。



歌六の平作、

 

吉右衛門の十兵衛、

 

雀右衛門のお米、

この三人が実の親子、兄妹であること、

しかもそれが敵どうしであることなど、

じわじわと真相が明かされてゆく、

その芝居が緊密で息詰まるほど。

十兵衛が立ち去るときお米に言う台詞

「人間万事芭蕉葉の、露より脆き人の命」が

しみじみと胸にしみいってきました。

 




◆三世中村歌六 百回忌追善狂言
  伊賀越道中双六
  沼津(ぬまづ)

呉服屋十兵衛   吉右衛門
 平作娘お米   雀右衛門
  雲助平作   歌六
  池添孫八   錦之助
 茶屋娘おくる  米吉
  荷持安兵衛  又五郎