句集『聊楽(りゅうらく)』は
董振華(とう・しんか)さんの第四句集(ふらんす堂刊)。
中国北京出身。1996年に慶應大学に留学しているときに
金子兜太に師事し俳句を学びはじめる。
「海程」同人。「海程」終刊後、「海原」同人。
日本中国文化交流協会会員、現代俳句協会会員、
中日詩歌比較研究会会員。
兜太先生の題字のなんと力強いこと。
そして董振華さんへのあたたかな眼差しにあふれた「序」。
まさにいま香っている梅に飾られた、
素敵な造本。
帯にはこの句。
春暁の火車洛陽をひびかせり
景の雄大なこと、凛としたたたずまいの句。
日本語で俳句を書き、
俳句にご自身の訳で
中国語訳がそえられています。
春耕や郷思の影に月の光(かげ)
誰がための琵琶の音たてて夏敦煌
万里の長城でんでん虫振り向いた
遠近ありし遠近に去りキリギリス
霾の冬日肺活量の重みかな
如月の月影少年の猫背来る