東山魁夷(1908-99年)の大回顧展を
新国立美術館で観てきました。
1章 国民的風景画家
2章 北欧を描く
3章 古都を描く・京都
(京洛四季のスケッチ)
4章 古都を描く・ドイツ、オーストリア
5章 唐招提寺御影堂障壁画
間奏 白い馬の見える風景
6章 心を写す風景画
生誕110年にあたる今年。
「残照」(1947年)、「道」などの初期からの年代順に
ずらりと大作が並んでいます。
美術書や画像で知っている、
どこかで観ている作品群。
その情感にあふれた、なによりも静謐な画。
色彩の美しいこと。
観ているものの内奥まで、
静かにしずかに入ってきます。
魁夷といえば「青」。
青の世界に現れる「白い馬」、
幻想的で、
眼に見えないひとのもつ精緻なこころのあるものが
具現化したような、その白い馬。
そのなかでも「白馬の森」に惹かれました。
唐招提寺御影堂の障壁画、
圧倒的な迫力をもって押し寄せてきます。
「濤声」は、いままさに怒濤に身を置いているかのよう。
「山雲」の室に入ると、
「山」の大気の冷たさにハッとし、
水墨画の深深とした山山に心象が息づいて。
この障壁画、じっと見続けたというより、
「桂林月夜」「黄山月夜」「黄山雨過」
「黄山暁雲」「揚州薫風」「桂林月宵」に
魅入られてしまった・・・
この障壁画を含み約70点。
12月3日(月)まで。
◆画像はこちらから
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/18697