関容子『客席から見染めたひと』 講談社 2016年刊
名インタビュアー関容子の聞き書き。
また愉しい一冊を読むことができた。
「芸」に生きる人のうちぶところへすーっと入り、
その芸の真髄まで著者に「ふっと語ってしまう」。
そんな貴重な話がさらっと、
あたたかく、人肌でつたわってくる。
著者はどれほどの舞台を観てきたことか、と。
この16人のなかに、
十八代勘三郎がいないのがなんとも惜しまれる。
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日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞、
読売文学賞など幾多の賞にも輝く、
当代随一のインタビューの名手が、
「舞台」という空間を彩る16人のトップランナーに迫ります。
30代から80代まで、世代を超えて語られる「芸」の世界の深淵。
そして師弟の情愛──。
舞台俳優から歌舞伎役者、狂言師、落語家まで、
普段は語られざる彼らの表現者としての本音、舞台論、
芸や技など受け継ぎ後進に伝えるべき「伝統」への思い、
そして数奇なみずからの人生……。
舞台を愛するすべての人に贈る、
「読むと舞台に足を運びたくなる」本。