句集『月球儀』、
俳人・関悦史さんの「閑中俳句日記(別館)に
取り上げられています。
関悦史さんは
句集『六十 億本の回転する曲がつた棒』で田中裕明賞。
句集『花咲く機械状独身者たちの活造り』。
評論 集『俳句という他界』他。
共同通信社の俳句時評他連載、
俳句甲子園審査委員長(第19回~)とご活躍。
関さんの抄出した15句です。
ご許可をいただき、こちらへ。
◆『月球儀』は山本掌の第4句集。
帯文:皆川博子、金子兜太。
著者は「海程」同人。
翼たためる馬かいまみし葡萄の木
水の声水のまどろみ夜の桜
不機嫌な化粧(けは)う少年花の塵
おおいなる火種はさくら殺意はや
白馬(あおうま)のまなぶたをうつさくらかな
この指がこの腕が燃えきさらぎ
てのひらの有刺鉄線春の雨
若鮎の骨美しき宇宙塵
鮎食べて天球の半径を測る
樹下春光内耳たどれば地中海
大花野遠流のごとく虚無に棲む
水底(みなそこ)の凍蝶のゆめほのと錆び
冬の虹脳石灰化ぞうぞうと
父という寒夕焼けを歩むかな
耿耿(こうこう)と水に眠れる寒牡丹