「元禄港歌」秋元松代・作 蜷川幸雄・演出     @NHK-BS | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



元禄港歌





秋元松代・作、蜷川幸雄・演出による

「元禄港歌」を録画で観る。


秋元と蜷川による第一弾が「近松心中物語」、

そして次にこの「元禄港歌」。

初演は平幹二郎、太地喜和子のふたり。

情念のゆらぎが立ちのぼって、きた舞台だった、かと。


今回は宮沢りえと段田安則。


幕があがると椿の森、

劇中に赤い椿が音もなく落ち、

地に、座敷に、散り敷くのがとても印象的。


大店・筑前屋を舞台に運命的にめぐり逢う男と女、

哀しい秘密を背負った親子。

盲目となった信太、初音、糸栄が帰るのは千年の森...。


美空ひばりによる劇中歌がじつに効果的に流れる。


猿之助の女形、それも年のいった女の

哀しみが滲む。いいなぁ。


「元禄港歌」はかなりのメロドラマ。

その枠組みとして、

「常民」と「芸能者(非人)」

が浮きあがってくる。


念仏衆による念仏唄、

瞽女たちは三味線を弾き、

「信田の狐」の話を、猿之助が語り唄う。


能舞台で、段田の能が舞われる。

そこに昭和の藝能を象徴する美空ひばりの歌。

さらに「オイディプス王」が絡む。



<出演>
市川猿之助、宮沢りえ、

高橋一生、鈴木杏、

市川猿弥、新橋耐子、段田安則、


作:秋元松代

演出:蜷川幸雄

音楽:猪俣公章

劇中歌:美空ひばり

衣裳・人形:辻村寿三郎




◆ストーリーなど詳しくはこちらへ。
「元禄港歌」の公式HP
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/16_genroku/



https://www.youtube.com/watch?v=u5jLVi-qwXs