秋元松代・作、蜷川幸雄・演出による
「元禄港歌」を録画で観る。
秋元と蜷川による第一弾が「近松心中物語」、
そして次にこの「元禄港歌」。
初演は平幹二郎、太地喜和子のふたり。
情念のゆらぎが立ちのぼって、きた舞台だった、かと。
今回は宮沢りえと段田安則。
幕があがると椿の森、
劇中に赤い椿が音もなく落ち、
地に、座敷に、散り敷くのがとても印象的。
大店・筑前屋を舞台に運命的にめぐり逢う男と女、
哀しい秘密を背負った親子。
盲目となった信太、初音、糸栄が帰るのは千年の森...。
美空ひばりによる劇中歌がじつに効果的に流れる。
猿之助の女形、それも年のいった女の
哀しみが滲む。いいなぁ。
「元禄港歌」はかなりのメロドラマ。
その枠組みとして、
「常民」と「芸能者(非人)」
が浮きあがってくる。
念仏衆による念仏唄、
瞽女たちは三味線を弾き、
「信田の狐」の話を、猿之助が語り唄う。
能舞台で、段田の能が舞われる。
そこに昭和の藝能を象徴する美空ひばりの歌。
さらに「オイディプス王」が絡む。
<出演>
市川猿之助、宮沢りえ、
高橋一生、鈴木杏、
市川猿弥、新橋耐子、段田安則、
作:秋元松代
演出:蜷川幸雄
音楽:猪俣公章
劇中歌:美空ひばり
衣裳・人形:辻村寿三郎
◆ストーリーなど詳しくはこちらへ。
「元禄港歌」の公式HP
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/16_genroku/
◆https://www.youtube.com/watch?v=u5jLVi-qwXs