萩原朔太郎をうたう Ⅲ 曲目解説 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



朔太郎



萩原朔太郎の曲についての覚書です。
プログラムに掲載されます。


萩原朔太郎(1886~1942)は
特異な感覚の新しい口語詩集『月に吠える』、
虚無と倦怠の『青猫』で日本近代詩を
確立した前橋生れの詩人。
 
朔太郎の詩は詩そのものが作曲を拒絶しさえする。
詩の根源的な、心の内奥に <音>が踏み込み難いゆえ。
              オノマトペ 
そのなかでユニークな擬音語を
活かした牧野由多可の「猫」。
               いしわた
そして「風船乗りの夢」は石渡日出夫により作曲された。
「風船乗りの夢」は軽妙でリズミックな前半と後半、
詩の哲学的で、虚無感にあふれる中間部により、
音楽の表情はペシミスティックで、振幅もいっそう激しく、
スケールの大きな曲となっている。

朔太郎の独特な感性、言語感覚を
絶妙な<音>の世界とした曲をお聴きください。