バリ島の仮面「ランダ(魔女)」 <もの>がたりⅡ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


ランダ



庭園美術館で「マスク展」をやっていますが(6月30日まで)、
家にある仮面のなかでもっとも存在感のある
バリ島の仮面「ランダ」。
ランダは魔女。

日本で手に入れましたが(牙が折れたのを修復した)、
実際にバリで使われていたとか。


「バリ島の村のお寺の中にはバロンとランダの仮面を
安置しているところが多くある。
バロンは聖なる獅子で白魔術を使い村人を守る。
黒魔術を使うランダとは永遠に戦い続ける」。


ランダ 《Rangda》とは
  
「バリ島に住む最強の魔女。
左手の魔術(悪しき魔術)の使い手であり、
人に災厄をもたらす黒き寡婦である。
夜の暗黒を象徴する。
 
善人にとってランダは恐ろしい殺戮者であり醜い老婆であるが、
黒魔術を志す者にとっては絶大なパワーと
究極の美を兼ね備えた妖艶な美少女であり、
誰もが彼女に認められ、一夜を共にするのを夢に見るのだ。

ランダはどんな姿にも化けることができ、
人に呪いをかけて病気にさせたり何かを取り憑かせたりといった悪事を働く。
まれに白魔法を使うこともある。
 
バリ島ではこのランダを鎮めるため、
ランダの仮面をつけて舞踏を行う。
その仮面に描かれたランダは、
飛び出た丸い目に突き出した前歯と曲がった4本の牙を持つ、
ある意味でユーモラスな姿をしている。
 
同じバリ島で信仰されているバロンという神獣と対になっていて、
天敵同士である。
善を象徴するバロンに対して、
ランダは悪を象徴する者となっているが、
彼女は単にバロンに打ち倒されるべき存在ではない。

バリ=ヒンドゥでは、善悪が共にある状態が
完全な状態であるとされているためだ。

ランダやバロンは相手に打ち倒されてもすかさず別の存在に転生し、
物語は同じパターンで繰り返される。

こうした輪廻の輪の中で、
ランダとバロンは永遠に決着のつかない戦いを続けるのだ」とか。