前橋 初市・だるま市 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


初市


初市・達磨市

1月2日、3日、6日、7日あるいは旧正月の日に

市が立ち、売り出す達磨。

と歳時記(新版 季寄せ・角川書店)にはある。


が、

前橋では今日9日に行なわれる。

成人式の日程が変わっても、

初市の日取りはこの9日のほかは

考えられない。

そのくらい根付いている行事だ。


初市・だるま市は、

その昔、毎月4と9の日に開かれていた

日用雑貨や生糸の市が起源のようで、

厩橋(現在の前橋市)城主、酒井重忠侯の時代から始まった

伝統ある行事といわれている。


達磨をメインに縁起物から植木などまで。

市の中心部を交通止めにしてどこまでもだるまが続く。

どこにこんなにひとがいたのかと驚く人出となる。

普段では毎日が<元旦>というくらい静かな通りが、である。


全国で達磨の生産の第一位だと聞く。

達磨はあの選挙事務所によく飾ってある、あれ。

ちかごろは白、緑、金などがもあるようだが、

赤いものが<だるま>と刷り込みがされているので、

もっとも売れ筋。

赤という色のもつ厄除けということがある。

「朱」とか「丹」のもつものからかとも。



お焚き上げ・露店





「家内安全」「商売繁盛」などその家により

書かれている文字は異なるが、

それぞれの家にあった大きさを選びだす。

その時の売り手と買い手の掛け合い、

そう値引きごっこの声が飛び交う。


「そあ、持ってけ!!

さあ、これで三千両。どうだ、ほれ、おくさん?」

「やだ、それじゃ、大きすぎるって」

「こっちでどうだ。ほれ二千と五百だ!!」

「そうね・・」

「二千と3百だっ」

「二千ッ」



だいたい中間でまとまりシャンシャンと手打ちで締める。

ま、お約束のようなもの。


赤城颪の空っ風のなか勢いのいい、

ほぼ怒鳴りあっているような応答が続く。


各家にひとつ。

どんなお家にも置かれる。

そう、ヴェルサイユのようなロココ趣味であっても、

それはある。

(ちょっと不気味とおもうそこのあなた。

上州人じゃないね)


さあ、片目を入れて。

今年一年、よろしく。


前のだるまはどうするかって?

ちゃーんと、もうひとつの眼をいれて、左義長へ。

もっとも、このあたりでは「どんど焼き」という。


上州だるま事情でした。