前回の紹介した動画
ご覧になりましたか?
どう感じました。
何かトリックがあると思いましたか?
あると言えばあるんですね。
あなたは、屈筋と伸筋という二種類の筋肉があるのをご存知ですか?
屈筋は腕などを曲げるときに使う筋肉です。
そして伸筋は腕などを伸ばすときに使う筋肉です。
これらはお互いに拮抗の関係にあります。
綱引きをしているようなものです。
腕を曲げると屈筋が縮んで、伸筋がリラックスして伸ばされます。
逆に腕を伸ばすときには伸筋が縮んで屈筋がリラックスして伸ばされます。
こういう関係にあるわけです。
お互いがお互いの拮抗筋と言うわけです。
ここからが秘密です。
私たちが力を入れていると感じるときは、実は屈筋に力を入れているわけです。
腕をまっすぐに保つために力を入れていることは、
伸筋で腕を伸ばそうとしているのにもかかわらず、曲げようとする屈筋にも力が入っているわけです。
伸筋 対 伸筋+曲げようとする人の力
といことになってしまい。腕は曲がります。
当然といえば当然です。
だから曲げた腕を、誰かが伸ばそうとすると、屈筋 対 伸ばそうとする人の屈筋の戦いになるので、なかなか伸ばすことはできません。
伸筋というのは、身体を伸ばす筋肉で、使っていても使っている感覚がありません。
人間が重力に抗して地上に立っているとき、筋肉を使っているという力感がありますか?
ないですよね。でも抗重力筋という筋肉を使って立っているのです。
このように伸筋は使っている力感がないのです。
立っているのはイメージするだけで立っていられるのです。
屈筋というのは体にせよ、手足にせよ、曲がる方向に引っ張る筋肉ですから、
力んでいるときに、誰かに曲がる方向に力を加えられると簡単に曲がってしまうのです。
何かを覚えるとき最初はハードだったのものが上達すると、嘘みたいに楽になりますよね。
あれは、うまく伸筋を利用して使うようになるからなんです。
達人は伸筋をうまく使っているのです。
武術などでも伸筋を多用します。使っている感じがあまりないので疲れにくいわけです。
気の力などと言いますが、実際は力感を感じない伸筋の力を使っているのです。
伸筋はどう使ってよいかわからないのでイメージ力がないとうまく使えないわけです。
催眠術の導入にもこのように人間の身体の癖を利用して暗示をかけますね。
いろんなセミナーなどでも、人間の身体の癖を利用してパフォーマンスしますが、論理ではなく暗示によって人を動かして行こうとするマインドコントロールは、講師である人たちも信じていてやっているのかもしれませんね。
伸筋は実際には力を出しているのに、使用感がない筋肉ということを覚えておいてください。
伸筋は身体や手足を伸展させる筋肉です。
だいたい裏側に付いている筋肉です、腕の後ろとか、背中とか・・・
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